News 2003年6月25日 00:52 AM 更新

すべてがデジタル専用設計――オリンパス、Four Thirds対応一眼レフデジカメ(2/2)


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 E-1の撮像素子には、4/3インチ(17.4×13.1ミリ)有効500万画素の新開発フルフレーム型CCDを採用。フルフレーム型は、従来のデジカメに使われているインターライン型CCDに比べて1画素あたりの受光面積を広く(開光率を大きく)取れるため、より多くの情報を蓄積できるほか、電子の蓄積部と転送部が一体構造となっているため画素全体で電子を蓄積できる。

 「インターライン型に比べ約2倍の情報量が保持可能。優れたダイナミックレンジ特性によって、ノイズが少なくて豊かな階調表現を持つ画像を撮影できる」(同社)

 今回発表されたE-1のボディとレンズ群は、今年3月に米国で開催された写真関連機器の見本市「PMA 2003」や、同月国内で行われたフォトエキスポなどで披露されたコンセプトモデルをほぼそのまま製品化したもの。CAMEDIA E-10/E-20など、同社の一眼レフデジカメでお馴染みのL型ボディを採用している。


E-10/E-20など同社の一眼レフデジカメでおなじみのL型ボディを採用(左がE-1、右がE-20)

 ボディは、サイズが141(幅)×104(高さ)×81(奥行き)ミリで、重さが約660グラムとレンズ交換式一眼レフデジカメの中では最小の部類に入るものの、ニコン「D100」(約144×116×80.5ミリ、約700グラム)やキヤノン「EOS 10D」(149.7×107.5×75ミリ、約790グラム)といった他社ライバル機と比べてもその差はわずかで、大幅に小型化できるというFour Thirds Systemのメリットを生かしきれていないようにみえる。


レンズ交換式一眼レフデジカメとしては小型だが、ライバル機との差はわずか

 だが、このサイズや重さは、プロユースのあらゆる撮影環境に対応できる信頼性/機動性を確保するためのものなのだ。

 ボディには軽量で堅牢なマグネシウム合金を採用。ボディ各所にシーリングを施すことにより、高い防滴性と防塵性を確保し、プロカメラマンの過酷な条件下での撮影をサポートする。


ボディにはマグネシウム合金を採用


高い防滴性と防塵性を確保。発表会場では水滴まみれになったE-1も展示

 また、レンズ交換式一眼レフデジカメでは、レンズ交換時にボディ内部にゴミやホコリが入り込む危険性があり、これがCCDに付着して画質の劣化を招くという問題があった。E-1では、スーパーソニックウェーブフィルター(超音波防塵フィルター)を搭載した新開発のダストリダクションシステムをCCD表面に装備。超音波で振動することで付着したゴミやホコリを瞬時に払い落とすことができる。


CCDに付着したごみやホコリを超音波で払い落とすダストリダクションシステム

 さて、異なるメーカー間でレンズを共用できるのが、Four Thirds Systemの大きな売りの一つなのだが、ニコンやキヤノンなど大手35ミリ一眼レフカメラメーカーからは、現在のところ新システムへの賛同は得られていない。

 とはいえ、Kodakと富士写真フイルムという世界フィルムシェア1、2位のメーカーが名乗りを上げている。デジカメメーカーとしても両社ともに自社で撮像素子を開発できる実力を持っており、Four Thirds System普及に向けて強力なパートナーとなることは間違いない。

 同社では、来年以降にハイアマチュア向けの小型軽量ボディの発売を予定しているほか、F値固定の大口径ズームレンズや短焦点の大口径広角レンズなど、Four Thirds System対応レンズ群の拡充を図る構えだ。

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関連リンク
▼ オリンパス光学工業
▼ Four Thirds Systemホームページ

[西坂真人, ITmedia]

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