News | 2003年7月28日 11:59 PM 更新 |
先週は、“電話番号”という身近な個人情報のセキュリティに関する小寺信良氏のコラムが1位にランクインした。
小寺氏同様に筆者宅にも、どこから調べてきたのか分からないが、さまざまな勧誘の電話がかかってくる。そしてその対処法として、記事中と同じ「ナンバーディスプレイ」を約1年前まで活用して“いた”。過去形なのは、ナンバーディスプレイの恩恵にあずかれた理由が、“ナロー”なISDN回線と、“裏機能”を持ったISDNルータを使っていたからだ。
もっとも筆者は、NTTとナンバーディスプレイ契約を交わしたことがない。それでも発信者の電話番号を知ることができたのは、1年前まで筆者が愛用していたNECの多機能ISDNルータ「COMSTARZ ROUTER(CMZ-RT-DP)」が、電話の相手がISDN回線や携帯電話/PHS(一部を除く)なら、発信者番号をISDNルータの液晶ディスプレイ部と、ナンバーディスプレイ対応電話機に表示してくれる「簡易着信表示機能」を搭載していたからだ。
実は、これは裏機能などではない。ISDN回線はもともと、音声通話と異なる経路(Dチャンネル)で電話番号などの呼制御情報をやり取りしている。つまりISDNにはもとから発信者番号通知が機能としてあるのだ(NTTはあまり宣伝していないが)
迷惑電話をかける輩も含めて企業の電話はたいていISDN回線を使っており、勧誘の電話も番号表示を見てだいたい想像がついた。正式なナンバーディスプレイ契約を結んでいないため、アナログ電話回線からの着信のみ「ヒョウジケンガイ」となるが、アナログ発信の出所は個人宅がほとんどで、たいていが実家や親戚、友人宅など。ゆえに、ヒョウジケンガイは逆に安心して出られるサインになっていた。
筆者が使っていたISDNルータは、発信者通知機能以外にも簡易メールサーバ機能を搭載し、PCを起動することなく自動的に電子メールの転送を行うことができた。件名/宛先/メールの内容などから転送メールを選別することもでき、メールチェックを数分おきに設定することで、ほぼリアルタイムに携帯電話/PHSなどへ重要メールを転送できたのだ。
既報の通り、ADSLの加入者増とともにISDNは減少傾向にある。我が家も“寄る年波”もとい“寄るブロードバンドの波”には逆らえず、約1年前にISDNをアナログ回線に変更して高速な常時接続環境を手に入れた。
確かにウェブ閲覧やファイルの転送は快適になったが、家族からは「電話番号が表示されなくなって勧誘電話が分からなくなったし、(iナンバー契約を止めたため)FAXしながら電話ができなくなった」と文句を言われる始末。メール管理も、ISDNルータを活用していた“ナロー”な時代の方がうまくいっていたような気がする。
[西坂真人, ITmedia]
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