「日本語JPナビ」に問題はないのか?(2/2 ページ)
まず筆者が気になったのは、今回日本語JPナビで提供されるレコードがA/MXレコードのみという点だ。最近、徐々にではあるがIPv6の接続環境が広がってきていることを考えると、IPv6のAAAAレコード(IPv4におけるAレコードに相当)へも対応して欲しいと思うユーザーは少なくないだろう。
この点について、1月19日に行われたプレス向け説明会の席上で尋ねたところ、同社の答えは「同サービスを利用する全ドメインに対してAAAAレコードを用意するのは、レコード数が多くなり過ぎる」「IPv6のみしか使えない接続環境は現実にはまだほとんど存在しない上、このサービスがIDN初心者向けのサービスであることを考えると、Aレコードのみの提供で十分ではないか」というものだった。
また同サービスの希望者のうち、特に希望するユーザーだけにAAAAレコードを用意するという方法についても、「実際に意見を取りまとめる指定事業者の事務処理が煩雑になるため、それは予定していない」という回答だった。
もう一つ気になるのは、対応ブラウザの問題だ。
日本JPナビでは、プラグインの必要がないサイト上での日本語jpサービスのほかに、IDN対応環境として3つのブラウザが紹介される。このうち、NetscapeとOperaはすでにIDN対応であり、Internet Explorerについては「i-Nav」というプラグインを用意することで対応させるというものだ。これについても「なぜMozillaではなくNetscapeなのか」「今後他のブラウザを追加する予定はあるのか」といった点が気になるところだ。
この点について聞いてみたところ、「基本的にJPRSとして動作確認・サポートなどを行えるブラウザが今のところこの3種類」であり、「むやみにこのページに掲載するブラウザ数を増やすと、かえってユーザーの混乱を招く可能性があるので、これ以外の環境については既に存在する詳細紹介ページへのリンクを用意する形にしたい」という話だった。
ただ、いずれにしてもこれは現段階での案であり、今回技術面の説明を行ったJPRSの米谷嘉朗氏も「今後ユーザからAAAAレコードの提供や、他のブラウザの紹介を希望する声が多ければ、サービス提供を検討する」と話していた。
これ以外でも、「JPナビサーバでWebアクセスを受け付ける際、HTTPのResult Codeとしては何を返すべきか」「MXレコードに登録するダミーのドメイン名を何にすべきか」などといった点もまだ検討中だという。現段階ではまだ煮詰まっていない部分も多いようなので、意見のある人は2月6日まで予定されているJPRSの意見募集に投稿してみてはいかがだろうか。
実験環境も今月中に用意する予定
もう一つ問題なのが、「本当にこのサービスを実行に移して問題が発生しないか」という点だ。
これについては、同社ではDNSサーバとしてBIND 4.8.3/8.3.4/8.3.7/9.2.2/9.2.3(いずれも正式版)やdjbdns、WindowsのDNSサービスなどについて調査を行い、8bitラベルをレコードに使用しても問題ないことを確認したと説明している。
しかし、前述した「MXレコードで今後はダミーのドメイン名が返ってくる」などの挙動の変化により、どのような問題が発生するかは未知数な部分も多い。そのため、これについて本サービスの開始前に実験環境でテストをしたいというユーザーは少なからずいることだろう。
現段階ではこうしたテスト環境は提供されていないが、同社では「既に社内ではそのようなテスト環境を構築している。今月中には何らかの形で一般ユーザーにもテスト環境を公開したい」(同社企画部・宇井隆晴氏)という意向だ。こうしたテスト環境が公開されれば、実際の挙動の変化を確認することもできるだろう。
実のところを言えば、Internet Explorerが早期にIDNに正式対応すれば、JPRSもわざわざこのような面倒なサービスを行う必要もないはずだ。米谷氏によれば、既に同社を含むIDNを扱うレジストリでは、昨年秋から連合を組んでMicrosoftとの間で技術的な検討を開始しているという。
だが、Microsoft社内では「Webブラウザだけを先行してIDN対応させるのではなく、OS全体をIDNに対応させないと意味がない」との声が根強いとのことで、具体的な成果はまだ現れていないという。このあたり、できればWindowsXP SP2あたりのタイミングで暫定的にでもIDN対応を行ってもらえないかと、一ユーザーとしては期待したいところなのだが……。
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