公取委が明らかにした非係争条項の力
「OEM側はWindowsに侵害されている特許リストをMSに示したが、MSは非係争条項の削除・修正を拒否した」──米Microsoftが「知的財産の保護とIT業界の発展のため」と説明する非係争条項。だが公正取引委員会の資料からは、MicrosoftがWindowsによる独占的な地位を使い、技術の“ただ乗り”をメーカーに指摘されても強硬に対処してきた過去が浮かび上がる。
公取委の資料によると、2000年12月ころ、AV機能に関する技術の特許を持つあるOEM業者(PCメーカー)が、Windowsに侵害、あるいは侵害される恐れがある自社特許のリストをMSに提示。MSに対し、特許関連の法的措置をとらないよう誓約させる非係争条項が自社に重大な影響を与えると主張した。
しかしMSはこのメーカーに何ら回答せず、メーカーはライセンス契約書の締結を余儀なくされたという。
また2001年12月ころ、同じくAV機能の技術について特許を持つあるメーカーが、(1)自社特許を侵害する技術をWindowsが使っている可能性があった、(2)今後Windowsの拡張が進み、自社技術がWindowsに取り込まれると、特許侵害をMSと他メーカーに対し主張できなくなる──として同条項の削除か修正を強く求めた。
MSは修正を拒否、メーカーはライセンス契約の締結を余儀なくされた、という。
2002年以降になると、MSはほぼ1年ごとにライセンス期間を区切り、その都度、同条項を盛り込んだライセンス契約を提示してきた。これに対しメーカーは同条項の削除・修正を要求したが、MSは拒否している。
公取委は、同条項によってPCメーカーの技術がWindowsに取り込まれてしまい、新技術がMSにただ乗りされてもメーカーは法的措置をとることができない点を問題視。「Windowsに拡張著しいAV機能に関する技術の開発意欲が損なわれることになり、日本におけるAV機能関連技術分野の公正な競争が阻害されるおそれがある」と判断した。
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