マイクロ展で「夢とロマン」探し、ロボットの“力こぶ”に出会う(1/2 ページ)
3年ぶりに「マイクロマシン展」に行ってきた。場所は例年どおり“科学大好きっ子”の聖地「科学技術館」(東京・北の丸公園)だ。
超精密・微細加工の技術が一堂に集うこの展示会には、数年前まではコインの上を走るマッチ棒の先ほどの超極小マイクロカーや、大きさが10ミリほどの4足歩行する犬型ロボット、1ミリ四方の金塊に削られた能面など、遊び心あふれる展示が見られた。
だが、最近は微細技術も“マイクロ”から“ナノ”の世界に突入しており、来場者が“肉眼で見える”ような展示では最先端技術をアピールできなくなってしまった。人の顔やトイレ(?意味不明)をナノレベルで切削した様子をプローブ顕微鏡写真のパネルで紹介するブースもいくつかあったが、ほとんどのブースではマイクロマシン技術が今のビジネスでどのように生かされるかといった現実的な展示が目立つ。
……まずい。記事ネタにならない。
ええい、ないものはしかたない。童心にかえって科学技術館の常設展示でも見て帰るか。
出展者が大幅増となった今年のマイクロマシン展は2階フロアまで使用することになり、その結果(チェックが面倒なためか)5階までの科学技術館常設展示の見学が無料(通常時大人600円)になっているのだ。なんでも、1階は企業、2階は大学や国公立研究所が中心となるアカデミックパビリオンと色分けしているらしい。
ん?アカデミックパビリオンか! ここなら、企業が忘れてしまった“夢とロマン”が見つかるかも……。
というわけで長い前フリを終了して、アカデミックパビリオンで目にとまった展示をいくつか紹介しよう。
ロボットの筋肉、研究してます
今、ロボットの世界では、より小型軽量でパワフルなアクチュエータ(作動装置)の開発が望まれている。数あるアクチュエータの中でも、構造が単純で小型化するほど重量あたり出力で有利なのが静電アクチュエータ。だが駆動に高電圧が必要な点や単体での出力が弱いことから「静電気力は弱い」というイメージはいまだ払拭されず、ロボットの“力こぶ”として活躍するまでには至っていない。
東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター実吉研究室が出展していたのは、こうした静電タイプのイメージを覆す「積層型静電アクチュエータ」。電極間を数十マイクロメートルレベルに極狭化して電磁アクチュエータ並みの出力を引き出した静電アクチュエータを、さらに幾重にも折り重ねて積層化することでロボットの動力源になるぐらいの高出力を発生させることができるという。
「プラスチックリボンを折り重ねているため非常に軽量なのが特徴。また一回電圧をかけると状態を保持するので消費電力面で有利。最終的にはロボットの筋肉を目指す」(担当者)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
2
NEC、委託先の情報漏えいで謝罪 「セキュリティ事業を手掛ける企業として反省」
-
3
VTuber「兎田ぺこら」グッズにSNSで風評被害→示談成立 「保護者同伴で謝罪などがあったため」
-
4
JALの予約システムに不正アクセス 約9万人分の予約情報が漏えい 一部ではパスポート番号も
-
5
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
6
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
7
Anthropic、独自の“創薬活動”に着手 社員1人のバイオ企業を買収、小児難病の治療薬研究を進める
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
10
「対策を後回しにしたサーバが軒並み狙われている」 相次ぐ不正アクセスにラックCTOが警鐘
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR