ウイルス対策ソフトの更新価格上昇の理由は?(1/2 ページ)
煩わしいトロイの木馬や悪質なワーム、たちの悪いウイルス――。こうなってくると、インターネットというのは悪者に自分のPCを攻撃させるために存在しているのかと思いたくもなる。
用心深い人であれば、既に、年会費を払ってウイルス対策ソフトを毎年更新しているだろう。だが今、こうしたソフトの主要メーカーの幾つかが、ユーザーにアップグレードをさせたがっている――最新版へのアップグレード以上のアップグレードを。ウイルス対策機能だけでなく、スパム対策機能、ファイアウォール機能、侵入検知ツールも備えた、フル機能インターネットセキュリティスイートへの乗り換えを強く推しているのだ。
メーカーは、こうしたスイートをどうやってより魅力的なものに仕立て上げているのだろうか。場合によっては、旧来の単機能スタンドアロン製品の年間契約料金の値ごろ感を抑える、という手段が用いられている。
ユーザーは、乗り換えに応じるべきなのか?
メーカーの台所事情
米Symantecは最近、Norton AntiVirusとNorton SystemWorksの年間契約更新価格を20ドルに値上げした。これは5ドル(33%)の値上げで、これまでと値上げ率は変わらない。
しかし、Symantecはこれら製品の年間契約更新価格は引き上げたのに、フル機能スイート、Norton Internet Securityの更新価格は30ドルに据え置いた。これにより、ウイルス対策機能のみ提供する製品の更新価格と、フル機能スイートの更新価格の差は10ドルに縮まった。(新規購入価格は、Norton Internet Securityが70ドルで、Norton AntiVirusは50ドルとなっている。)
こうした年間契約料金には、ソフトそのものの更新料と、アドウェアやスパイウェア、キー入力を記録するプログラムなどの新たな脅威からユーザーを守るためのウイルス定義ファイルの更新料が含まれていると、Symantecのカスタマー部門ディレクターを務めるローラ・ガルシア=マンリケ氏は説明する。
「(Norton)Antivirusは素晴らしい製品だが、十分な保護は提供しないと認識している。Norton Internet Securityの価格差を魅力あるものにすることで、顧客がこれに乗り換えるよう働き掛けたかった」と同氏。
米McAfeeも、既製版VirusScanの更新価格を引き上げている。ここ数年、年間契約更新価格は着実に上がっており、McAfeeのコンシューマー部門上級副社長、ビル・ケリガン氏によれば、2000年に5ドルだったものが今では20ドルになっている。
増加する脅威
SymantecとMcAfeeによれば、更新価格の値上げは、スパムやトロイの木馬、スパイウェアなどの脅威に対する解決策を必要とする、危険を増しつつあるコンピューティング環境のせいだという。
「昨年は、8日の間にBlaster、Welchia、Sobigという3件もの悪質なワームが登場した。当社のインフラは、1時間当たり300万以上のヒットと110万の(ウイルス定義ファイル)更新要求に対処しなければならなかった。年間契約更新料は、こうした要求に対応するため、われわれが定期的に行っていく投資の助けになる」とガルシア=マンリケ氏。
しかし、フル機能スイートへの乗り換えは、経済的にもセキュリティの面からも、消費者にとって必ずしも最善の道ではないかもしれない。ファイアウォール機能とスパム対策機能は、多くのユーザーにとって貴重なものだが、PC World誌のテストでは、スイート製品の保護機能は、各機能をすべてスタンドアロン製品でそろえた場合よりも劣るという結果が出ている。
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