日本向けの無線LAN規格「802.11j」が承認
米国電気電子技術者協会(IEEE)が、国際Wi-Fiローミングを日本に拡大する新しい無線規格を承認した。
この無線規格「802.11j」は米国の対テロ部隊が使用する無線機器にも適用されるほか、そのほかの諸国の周波帯域の使用方法にも影響を及ぼすことになる。
今回の承認により、Wi-Fiと呼ばれる802.11 WLANファミリーは、2002年8月に施行された日本の規制にも対応できることになった。この規制は、4.9GHz帯と5GHz帯の周波帯域を屋内、屋外、携帯での用途に割り当てたもの。さらに802.11j規格は、トランスミッター出力、操作モード、チャンネル調整、スプリアスエミッションレベルなどのパラメータに関する日本の法定基準も満たしている。
4.9GHz帯は米国では公安と国防に割り当てられているため、802.11j規格はこの領域における標準セキュリティ機器への道も開くことになる。802.11jの策定に参加し、同規格の支持を真っ先に表明した企業の1社でもあるワイヤレスチップメーカーのAtheros Communicationsによれば、機器メーカー各社は現在、Atherosベースの機器を米国警察や消防隊に提供している。
802.11jは5.725GHz~5.850GHz帯で動作する802.11aと関連した規格だ。Atherosの機器はファームウェアのアップグレードを介して802.11jに対応できる。同社によれば、802.11jの影響が及ぶのは日本だけではない。同社ジェネラルマネジャーの大沢智喜氏は、「この標準は無線LANの使用に関する日本の新しい規則にフォーカスしたものだが、ホットスポット、モバイル、ラストマイルなどのソリューションに徐々にWLAN技術を採用しつつあるほかの各国にも影響は及ぶはずだ」と語っている。
802.11jはWi-Fi機器にとって、新しい周波帯域に移行したりチャンネル幅を変えることでキャパシティとパフォーマンスを改善するための標準的な方法となる。Atherosによれば、これにより802.11アプリケーション間の相互互換性も改善されるという。
アナリストによれば、これまで802.11市場では高めの帯域を使用する機器は小さなシェアを占めるにすぎなかったが、802.11aの勢いは高まりつつある。8月には、Intelが802.11a/b/gをサポートするノートPC用チップセット「PRO/Wireless 2915ABG Network Connection」を発表した(8月27日の記事参照)。同チップセットは世界各地で5.15GHz~5.825GHz帯の帯域をサポートするほか、日本の帯域、802.11h、およびWi-Fi Protected Access(WPA)/WPA2セキュリティ規格をサポートする。802.11hは802.11jと似た規格で、欧州の規制向けに調整されたもの。BroadcomやAtherosなどの各社に続いて、Intelがサポートに乗り出したことは802.11aにとって大きな後押しとなるだろうとGartnerは指摘している。
またGartnerによれば、802.11aには内在的なメリットがあり、より高い帯域を必要とする企業にとっては802.11gよりも優れた選択肢となる。同社は8月の調査ノートで、「802.11aのサポートを含めれば、企業は帯域幅不足の問題に対して向こう数年間はより確実に対処できることになる。802.11aの方がはるかに多くのチャンネルを含み、より高速で、干渉にもより良く対応できる」と指摘している。
802.11gは802.11bと同じく混み合った2.4GHz帯を使用するため、Gartnerは802.11gを推奨していない。ただし、ホットスポットとの互換性を確実にするためには802.11gが必要だ。
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