ソニー、営業利益15%増ながらもAVは横ばい――「2005年後半には飛躍感が」
ソニーは4月27日、2004年度(2004年4月1日から2005年3月31日)の全社連結決算を発表した。売上高は7兆1596億円で前年同期(7兆4964億円)に比べてマイナス4.5%と減少、営業利益は1139億円と前年同期(989億円)プラス15.2%となり、全体としては減収増益の決算に落ち着いた。しかし、エレクトロニクス分野は販売単価の低下や原価率の悪化を受け、売上高は前年度比マイナス0.4%となった。
最も利益に貢献したのは映画部門で、スパイダーマン2のヒットや各種DVD売り上げが好調に推移し、売上高は7337億円、営業利益は639億円(前年同期比 プラス81.4%)と過去最高の業績を記録した。そのほか音楽(営業利益 88億円)と金融事業(営業利益 555億円)も好調な数値を記録した。
不調が伝えられ、1月28日に発表された2004年度第3四半期決算(10-12月期連結決算)でも売上高1兆5108億円・営業利益494億円(前年度比マイナス0.9%・マイナス23.3%)という数字に終わったエレクトロニクス分野だが、最終的には売上高5兆216億円(前年同期比 マイナス0.4%)・営業損失343億円という厳しい結果に終わった。とくに営業損失は前年同期(68億円)から275億円という大幅な拡大を見せている。
同社は2006年度に連結営業利益率10%を目指すプラン「TR60」を推進しており、昨年5月に出井会長(当時)は「10%くらい利益を上げないとグローバル企業として力がない。生き残るには自らハードルを設定していかなければ」と述べるなど、利益率向上を目指した構造改革に着手している。
しかし、同社 執行役副社長兼グループCSO&CFOの井原勝美氏自らが今回の決算について「エレクトロニクス分野の損失は拡大してしまった。構造改革を進めた影響も発揮されつつあるがカバーできなかった」と認めるように、販売価格の下落や原価率の悪化が構造改革を上回るスピードで進行したことが営業損失の拡大を招いたようだ。
エレクトロニクス分野を品別に見てみると、ブラウン管テレビ/ポータブルオーディオが減収、フラットパネルテレビ、デジカメ、リアプロジェクションテレビが増収。地域別売り上げ前年比は、欧州がプラスマイナスゼロ、その他地域がプラス9%となっているものの、米国はマイナス4%、日本はマイナス10%と主力市場のひとつである日本市場での売り上げが減少したことも、マイナス要因となった。
井原氏は「2005年も厳しい環境が続くと考えている。エレクトロニクス分野の売り上げは伸びるかもしれないが、営業利益が大きく見込めるところまではいかないだろう」とシビアに現状を受け止める。
しかし、これまで同社が行ってきた施策に加えて、今年後半にはS-LCDによる液晶を搭載した製品やコスト競争力を高めたDVDレコーダーの登場が予定されており、井原氏もエレクトロニクス分野は利益率向上を期待する。
「春に発売されたハッピーベガやフラッシュメモリタイプのパーソナルオーディオがヒットするなど、成果は出ている。しかし、これらは部分的な成功に過ぎない。すでにこれからするべきことは明確になっており、粛々と進めていくだけだ。2005年後半から飛躍感とでもいうべきものがでてくればいいと思っている」(井原氏)
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