JCSAT-1Bが復旧も、JSATは最終赤字に
JSATは10月6日、7月に不具合が発生した通信衛星「JCSAT-1B」が復旧したと発表した。だが事故が2度にわたったことから、顧客には他の衛星に移行してもらう方針。このためJCSAT-1Bの減損処理を行い、損失計上で今期は最終赤字となる見込み。
JCSAT-1Bは1997年12月に打ち上げられた商用通信衛星。Kuバンド用のトランスポンダ(中継器)32本を搭載し、日本とアジア・ハワイをカバーしている。
不具合は今年1月と7月に発生。正常な姿勢を失い、全チャンネルで通信が不能になった。7月の不具合は予備衛星「JCSAT-R」を1Bの軌道位置に配置して対応、順次サービスを再開していた。
製造元の米Boeingと同社で調べたところ、姿勢喪失の原因は機動用スラスターの燃料リークだと分かった。製造段階で混入した異物のせいでスラスターバルブが完全に閉まらず、燃料が漏れたとみられる。原因究明のための噴射試験で異物が除去されたため、姿勢が正常に戻ったという。トランスポンダも正常動作を確認した。
ただ、不具合が2回にわたった経緯から、これまで同衛星を利用してきた顧客には他衛星に移行してもらう方針を決めた。このため2005年9月中間期、同衛星の減損処理で約87億円の損失を計上。このほか移行費用約32億円や、予備衛星が移動のために燃料を消費したことによる耐用年数の短縮など、総額約185億円を損失として計上する。
これに伴い2006年3月期通期の連結業績予想を下方修正し、最終損益は当初予想の21億円の黒字から95億円の赤字となる見込み。経営責任を明確にするため、磯崎澄社長ら経営陣は役員報酬を一部返上する。
ただ、「損失は一過性」(磯崎社長)のため、2007年3月期は2004年3月期実績と同程度に回復するとしている。今期の配当は原資は十分なことから例年並みに行う方針。
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