独自技術が差別化のカギ ビクター液晶テレビ新製品
日本ビクターは4月6日、独自技術による高画質をうたう液晶テレビ新製品を発表した。前期の予想業績が最終赤字予想に転落するなど不振に陥った同社だが、「ビクターならでは」の独自技術を武器に、激戦の薄型テレビ市場で生き残りを図る。
新製品は「液晶EXE」(エグゼ)シリーズ3機種。46V型のフルハイビジョンパネル(1980×1080ピクセル)を採用した「LT-46LH800」(実売予想価格は58万円前後)は5月上旬に発売。「サッカー!サッカー!サッカー!ビクター」という統一キャッチフレーズでワールドカップ商戦に売り込んでいく。
新製品では独自の高画質化エンジン「GENESSA」(ジェネッサ)を一新した。同エンジンは表示映像をシーンに応じてリアルタイムに補正するのが特徴で、新エンジンでは専用CPUの処理性能を従来の2倍に向上させるなどし、映像の精細感や奥行き感が向上しているという。
例えば映像の暗い部分を明るく表示させようとした場合、単なるブライトネス補正では色の彩度が低くなり、全体的に色あせた感じになってしまう。これに対し同エンジンの「インテリジェントγ」技術では、明るい部分は補正を抑え、暗い部分は明るく補正してコントラストを調整した上で、カラークリエイションを行って色味も保持する仕組みだ。
また37V型(WXGA)の「LT-37LC85」(5月中旬発売、実売38万円前後)は、秒間60フレーム(60Hz)の映像を同120フレームに補間して残像感を低減した「高速液晶ドライバー」を搭載した。スポーツが好きでPDPにひかれている層に訴求していく。
同社の予測では、液晶テレビの世界需要(販売ベース)は2005年の2000万台から今年は3800万台とほぼ倍増し、2008年には6900万台に成長。全製品に占める液晶テレビの比率も2005年の10%強から2008年には36%に拡大する見通しだ。PDPが強いと言われてきた大型タイプへのシフトも進んでいる。
ビクターの今年のラインアップにはPDPを一部残しつつ、ボリュームゾーンとなる26Vから46Vまでは液晶、56Vから70Vの大型は独自デバイス「D-ILA」を搭載したプロジェクション型をそろえた。
親会社・松下電器産業の中村邦夫社長は昨年来、「ビクターにしかない強みに絞り、2006年度から立ち上がってくると確信している」と語っていた。一方で国内の薄型テレビ市場は松下、シャープ、ソニーの3強体制になりつつあり、食い込んでいくのは容易ではない。
激戦の戦場でビクターが生き残るための武器は独自技術だ。46V型新製品のターゲットユーザーは「リビングに大型テレビを置きたい高額所得層で、ブランド指向より高画質指向の強いユーザー」。新製品の発表会場では、同型の他社製品を並べて同じ映像を表示させ、表示の美しさを比べて見せた。
同社ディスプレイ事業グループの松嶋芳樹ディスプレイカテゴリー副カテゴリー長は「ビクターが市場から期待されている部分、単なる表示能力を超えた表現そのものの精緻さなどに力を注ぎ込んでいきたい」と話していた。
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