本物そっくり 偽造メモリースティックに注意
ソニー製メモリースティックの模倣品が、ネットオークションで出回っている。特に小型で大容量の「メモリースティックPRO Duo」模倣品の出品が、今年3月ごろから急増しているという。
模倣品は、見た目は本物にそっくりだが、著作権保護技術「マジックゲート」が付いていないことがほとんど。作りも荒いため、使用中にデータやハードが壊れる危険性があるという。
ソニーはオークションを監視し、模倣品出品者を見つけ次第警告したり、法的手段を取ったりしているが、取り締まっても次々に出品され、対応が追いつかない状況だ。同社は「模倣品が原因で発生した機器の故障は責任を負いかねる」とし、特約店で正規品を購入するようユーザーに呼びかけている(関連記事参照)。
本物そっくりに“進化”
ネットオークションでの模倣品販売は今年3月ごろから急増。同社がネットオークションで2GバイトのPRO Duoをランダムに落札したところ、8割が模倣品だったという。販売総数は数千個に上り、被害総額も数千万円に達するものと見ている。
模倣品は、製品からパッケージの印刷や作りも本物そっくり。「ソニーの社員に見せても、本物と間違えるかもしれない」と担当者は語る。本物と異なる点があっても、すぐに気づいて本物そっくりに修正してくるという。
同社担当者は「模倣品製造業者は、ブログなどを見て商品を修正しているようだ」と語る。模倣品を購入してしまったユーザーは、それに気づくとブログなどで特徴を公開することがある。業者はブログをチェックして本物と異なる点を改善。さらに精巧な模造品を製造するのだという。
今年から急増
メモリースティックは1998年に発売を開始した。2003年ごろから、中国の業者が製造した模造品が出回っていたというが、当初は中国国内マーケット向けが中心。容量も少なく、比較的安価だったため、輸出する“うまみ”が少なかったようだ。
2005年以降、メモリースティックを利用する高画素デジタルカメラが普及。PSPも登場し、1~2Gバイトと大容量で高額な製品へのニーズが世界中で高まった。
メモリースティックPRO Duo正規品は、1Gバイトが9980円、2Gバイトが1万9800円(それぞれソニースタイル価格)。模造品の国内での落札価格はその半値程度だが、輸出にかかるコストを差し引いても、業者にもうけが残る価格になっているようだ。
メモリースティックDuoシリーズは切手ほどの大きさ。パッケージを含めても、軽量でそれほどかさばらないため、封筒などに入れて簡単・安価に密輸できてしまうという。
法的対応も
個人名義で手軽に商品を売買できるネットオークションは、悪徳業者の格好のマーケットになっている。模倣品と知らずに落札してしまうユーザーも多く、「きちんと動かない」などと同社に問い合わせが来ることも多いという。
同社は、ユーザーへの告知を強化。6月からは「Yahoo!オークション」のメモリースティックカテゴリーのページに、模倣品について警告するバナー広告を掲示し、注意を呼びかけている。
各国の税関と協力し、取り締まりを強化しているほか、悪質な業者への法的対応も行っている。第1弾として、今年4月から6月にかけ、模倣品約800個を販売していた業者に対して、6月17日付けで販売停止の仮処分を裁判所に申し立てた。その業者とは結局、賠償金支払いと謝罪広告の掲載で和解したという。
同社は今後もネットーオークションの監視を続け、悪質な業者に対して民事・刑事訴訟を含めた法的対応を行うほか、ユーザーに対して注意を呼びかけていく。
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