CEATEC JAPAN 2006
ブログ依存症のロボット
UNS2006(ユビキタスネットワークシンポジウム2006ショーケース)のブースには、ブログを読んだり、書いたり、ペットの写真を貼り付けたりするのが大好きなロボットがいる。彼は、自分のブログにコメントが付かないと何もしない。しかしコメントを見ると即座に更新しはじめる、筋金入り……もとい金属製のブロガーだ。
彼の名前は「ApriAlpha」(アプリアルファ)。東芝が2003年に発表したネット家電ロボットだが、今回はブログサーバを介してロボットをリモートコントロールするソフトウェア「ブログアルファ」の端末して利用されている。
ブログアルファの仕組みはこうだ。「家族だけがアクセスできるブログを開設し、コメントの形でロボットに対する要求を書き込む。ブログアルファは常にブログを監視していて、タスクが発生すると無線LANを介してロボットに指示を出す。その経緯や結果もブログに反映させる」。
たとえば「ポチどうしてる?」と書き込むと、ApriAlphaはペットのいる場所に移動し、内蔵のカメラで写真を撮影。画像をブログにアップする。ユーザーは、PCや携帯電話でブログをチェックするだけで、外出先からペットの様子がわかるという仕組みだ。
ツッコミどころ ポイントは、「ポチどうしてる?」などという自然文――しかも人間なら“犬”だと想像できるかもしれないが、ロボットには意味を持たないはずの“ポチ”という固有名詞までしっかり認識しているところだろう。
実は、アプリアルファには「生活オントロジー」(写真参照)と呼ばれる、インテリジェントな「辞書のようなもの」が実装されていて、生活環境に関するさまざまな情報や常識を格納している。また、コメントに含まれる動詞を解析し、ロボットが実行できるタスクを特定する仕組みも備えた。
コメントを書き込むと、ブログアルファは指示を“常識”に照らし合わせて分解し、「ポチ」という固有名詞のオントロジー、「ポチがいる場所」のオントロジー、そして「どうしてる?」の解析という処理を同時に始める。その結果、「犬小屋の場所に移動」「撮影」という一連のコマンドとなってApliAlphaに伝えられるのだ。
もちろん、事前に玄関や犬小屋の場所、あるいはポチが犬であることを設定する必要はあるものの、画一的なコマンドを入力する必要がないのは大きなメリットだろう。生活オントロジーは、ロボットと人間を繋ぐ柔軟なインタフェースになり得る。
表記の揺れも問題ない。たとえば、「玄関の鍵しまってる?」「玄関のカギ大丈夫?」のように、コメントが異なっていてもロボットはちゃんと玄関へ赴く。また「仮に分からない単語が出てきた場合、ロボット側から、それが何であるかを訊ねるような仕組みを持たせる。そうすれば、分からない単語が出てくる都度(オントロジーを)構築し直すことができる」と発展性も十分だ。
ただ、いくらインテリジェントな検索技術を持っていても、実際に動き回るロボットにはハードウェア上の制約がある。あまり常識外れのお願いをすると、ブログに冷淡なコメントがつくので注意しよう。
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