「オリコンチャート」記事めぐりジャーナリストに賠償請求 「言論妨害では」と批判も
「雑誌記事内の事実誤認に基づくコメントにより名誉が傷つけられた」として、オリコンが音楽ジャーナリストに5000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが分かった。これに対し、ジャーナリストやネットユーザーからは「記事を掲載した出版社ではなく、編集部に求められてコメントしたジャーナリストを訴えるのは言論妨害ではないか」と批判が出ている。
オリコンが訴えたのは、音楽ジャーナリストの烏賀陽弘道さん。月刊誌「サイゾー」(インフォバーン発行)の今年4月号の記事で、烏賀陽さんが編集部の電話取材にこたえてコメントした内容が事実誤認に基づいており、名誉が傷つけられたとして17日に提訴した。
記事では烏賀陽さんのコメントとして、オリコンが公表している音楽ヒットチャートについて「調査方法をほとんど明らかにしていない」「予約枚数もカウントに入れている」などと指摘している。
これに対しオリコンが19日に公表したコメントでは、同社は1968年のランキング開始以来調査方法を明らかにしてきており、予約枚数もカウントに入れたことはない、と反論。「ジャーナリズムの名の下に、基本的な事実確認も行わず、長年の努力によって蓄積された信用・名誉が傷つけ、損なわれることを看過することはできないことからやむを得ず提訴に及んだ」としている。
雑誌記事による名誉き損の訴訟は、出版社を相手取って行われるケースが多い。同社が今回、出版社ではなく個人を訴えた理由は「6月に内容証明郵便で文責の確認をした際、烏賀陽さんが責任を持って発言した、と明言したため」(広報担当者)とした上で、「烏賀陽さんは著書も多く、メディアに大きな影響を与える」(同)とし、発言の社会的影響力の大きさを考慮した判断だと説明している。
賠償額を5000万としたのは「音楽ランキングは当社の中核事業。信頼性を損ねると多大な損失を招くため、当社の年間売上高57億円の1%に満たない数字を基準に算定した」(同)という。
烏賀陽さんは個人サイト「うがやジャーナル」に「意見が違うというだけで、企業が個人に5000万円を求めるなんて!」と題したコメントを掲載。「言論封殺の恫喝訴訟じゃないのか」と批判している。音楽ジャーナリスト津田大介さんのブログ「音楽配信メモ」でも、烏賀陽さんのコメントや訴状を公開。ソーシャルブックマークサイトや掲示板サイトなどでも意見が交わされ、「記事に誤りがあるなら出版社に訂正と謝罪を求めるべきでは」といった意見が多い。
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