ソニー、ゲーム事業は今期も赤字に PS3出荷は倍増へ
ソニーが5月16日発表した2007年3月期(2006年度)の連結決算で、ゲーム事業の営業損益は2323億円の赤字(前期は87億円の黒字)になった。11月に発売した「プレイステーション 3」(PS3)関連コストがかさんだため。PS3は今期、前期から倍増となる1100万台の生産出荷を見込むが、価格に対しコストが上回る逆ざやの状態が続くため、営業赤字が続く見通しだ。
同事業の売上高は1兆168億円と前期比で6.1%増。3分の2を占めるハードは、「プレイステーション 2」(PS2)と「プレイステーション・ポータブル」(PSP)の販売減とPS2の値下げがあったが、日米欧で発売したPS3効果で全体では増収になった。ソフトはPS2向けの減少が響き、減収だった。
PS3の06年度生産出荷台数は、発売当初の品数不足が響き、目標の600万台を下回る550万台にとどまった。大根田伸行CFOによると、販売店から消費者に販売されたセルスルー台数は「把握していない」が、同社から販売店に卸されたセルイン台数はおよそ360万台といい、在庫は差の190万台となる。
巨額の営業赤字はPS3が原因。価格が製造コストを下回る「戦略的な価格設定」のためだ。実際に販売した分の逆ざや分に加えて、在庫で持っている分についても将来販売する際の損失を見込んで評価減を計上したため、赤字額が膨らんだ。
07年度のゲーム事業の営業損益見通しは公表していないが、営業赤字が続く見通し。PS3の生産出荷台数は倍増し、コスト低減などで採算の改善を見込むが、逆ざや状態の解消は同年度中は難しいと見ている。ただ、採算改善分について評価減の戻し入れも見込めるため、赤字幅は縮小する見込み。08年度には黒字転換を予想している。
ライバルの任天堂は07年度、「Wii」の販売台数を1400万台と予想(関連記事参照)。大根田CFOは、日本でPSの販売シェア(PS2 18%、PS3 20%)がWii(58%)に劣っていることは認めつつ、「北米ではPS2が33%、PS3が8%に対しWiiが16%。欧州ではPS2が30%、PS3が30%と6割に対しWiiが30%」と地域によって差がある、とした。
PS3値下げの可能性については「価格はビジネス戦略上大事なこと。現時点でのコメントは差し控えたい」(大根田CFO)とした。
同じく任天堂の「ニンテンドーDS」に比べ苦戦しているPSPの06年度生産出荷は、「在庫消化を優先したため」(同社)、台数で41%減の836万台にとどまった。
ただ、同社によると昨年の年末商戦から欧州などで好調が続き、日本でも「モンスターハンターポータブル2」(カプコン)がPSP初のミリオンを達成するなど、世界的に順調だとしている。ソフト出荷は30%増の5410万本に拡大した。07年度はハードが7.6%増の900万台出荷を見込む。
PS2の06年度出荷はハードが12%減の1420万台、ソフトが13%減の1億9300万本。減少傾向とはいえ「想定以上に底堅く、当初予想以上の出荷だった」(同社)。07年度のハード出荷は約3割減の1000万台と見込んでいる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
4
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
5
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
6
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
7
So-net、会員情報約259万件が漏えい 一部メールサービスではパスワードも流出
-
8
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
9
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
10
IPO目論見書に「AIは人類の存亡リスク」「コードの9割はClaude製」 Anthropicが示した規格外の見立て
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR