補償金額はどう決めるべきか 私的録音録画小委員会
「私的録音録画補償金」制度の見直しを検討するため、文化庁文化審議会著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の07年第9回会合が8月8日開かれ、補償金額の決定方法などについて話し合われた。
DRM(デジタル著作権管理)技術が普及し、転送回数が制限された機器なども多い。このため小委員会では、こうした機器については、補償金額の設定の際にはDRMの影響を反映させる必要があるとした。
補償金は現在、私的録音補償金管理協会(sarah)と私的録画補償金管理協会(SARVH)が管理し、著作権者に分配している。補償金額は、機器や記録媒体の製造業者団体から意見を聞いた上で、sarahとSARVHが定め、文化審議会の許可を得て決定する。
補償金額は卸値をベースに決まっており、録音機器は卸値の2%、録音用記録媒体は3%、録画機器または録画用記録媒体は1%と定められている。
文化庁の川瀬真著作物流通推進室長は「DRM技術が発展すれば、いずれ補償金制度は必要なくなるのではないか。DRM技術の発展に応じて、こういう状態であれば補償金制度が必要というような基準を定めるべき。DRM技術の過渡期である今は、状況に応じて補償金額を調整する必要がある」と説明した。
ただ、次々に登場する機器の進化に合わせ、補償金体系を柔軟に構築していくのは実務上は難しく、関係者が協議して補償金額を決める現行方式を維持すべきでは、という意見が多かった。
その上で、補償金額の決定プロセスを透明化するため、新たに学識経験者と利害関係者で構成した評価機関を設けて意見を聞く──など、手続きの改善も検討された。
実演家著作隣接権センターの椎名和夫さんは「補償金額について迅速に評価ができる仕組みが必要」と指摘した上で、「補償金額は機器や記録媒体の価格の一定割合と決められているが、価格が下がれば、得られる補償金が減る。補償金は割合ではなく、一定の額を定めるべきだ」として「定額制」を主張した。
一方、電子機器メーカーの業界団体・電子情報技術産業協会(JEITA)の亀井正博さんは「対象機器の用途に応じて額を決めるべき」と意見を述べた。
IT・音楽ジャーナリストの津田大介さんは、前回の会合で補償金の課金対象をiPodやPCにまで広げるべきとの意見が出たことを挙げ(関連記事参照)、対象範囲を広げた場合、「広く薄く」の通り、1つの機器やメディアに課す補償金額が低くなる可能性もあると指摘。このため「補償金額の決定方法と、対象機器の範囲の議論は一緒にすべき」と提案した。
このほか、今後、sarahとSARVHを統合して1つの管理団体を設立し、録音と録画の両方ができるデバイスに対して重複請求することを防ぐことや、管理団体による私的録音録画補償金制度の広報業務を積極的に行うことなどが検討された。
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