「中国企業、Seagate買収に関心」の報道
New York Timesは8月25日付で、ある中国のIT企業(社名は明かされていない)が米HDDメーカーSeagateの買収に関心を示していると報じた。Seagateは世界HDD市場で約30%のシェアを占めている。
このような買収の可能性を受けて、米国関係者の間では、業界最大手のIT企業が中国に移ることで国家安全保障上のリスクが生じるのではないかという懸念が高まっていると同紙は伝えている。
Seagateは過去7年間、世界最大手のHDDメーカーの地位を占めている。同社は1月23日に、業界で初めて四半期売上高が30億ドルを超え、前年同期の売上高を30%上回ったと報告した。
同社は6月25日に、企業やデスクトップなどさまざまな用途に向けた「初の第2世代」省電力1T(テラ)バイトHDD「Barracuda」ラインを投入して、またも業界における優位を示した(6月26日の記事参照)。同社は業界初の暗号化されたノートPC向けHDDも出荷している。
ほかに米国のHDDメーカーには、Western Digitalがある。
Seagateのウィリアム・ワトキンスCEOは、New York Timesのジョン・マーコフ記者の取材を受け、中国企業によるアプローチについて語った。同氏は、Seagateを売りには出していないが、もしも十分なプレミアムが株主に提示されたら、阻止するのは難しいだろうと述べた。
政府関係者は同紙に、HDDは輸出規制技術に入っていないが、米HDDメーカーの買収には、米連邦政府による安全保障上の調査が必要になると語った。
同紙は、機密の政府諮問団体に関与しているある業界幹部の発言として、こう伝えている。「Seagateの件はきわめて微妙な問題だ。米国関係者は誰も、中国がHDDのコントローラチップを入手することを望んでいないと思う。中国がHDDをどうやって利用するか、誰にも分からない」
米Pund-ITのベテランITアナリスト、チャールズ・キング氏はeWEEKに、グローバル化が続く中で、多くの国がIT開発で米国を追い越したいという考えや野心を持っていると思うと語った。
「Seagate買収は、外国企業にIT市場で優位をもたらすだろうか? 確かにもたらすだろうが、HDDセクター、特にSeagateが最も強いコンシューマー分野は急速にコモディティ化している。正直、この種の技術にどの程度の本格的な技術革新を期待できるのかわたしには分からない」(同氏)
キング氏は、IBMがPC部門をLenovoに、HDD部門を日立に売却したときにも同様の意見があったが、結果は批判派が主張していたよりもずっと良かったと付け加えた。
米Enterprise Strategy GroupのITアナリスト、ブライアン・ベビノー氏はeWEEKに、米国外の企業は国内企業よりもいいIT製品を作れないと思っているのなら、それは無知だと語った。
「IBMは確かに、多くのライバルほどうまくPC事業で競っていけないと考えて、最も高い値を付けた相手にPC事業を売却した。その相手がたまたまLenovoだっただけのことだ」(同氏)
このようなシナリオは競争を生み、米国での革新を促進すると同氏は指摘する。
「職を国内にとどめておきたいのなら、もっといい製品を作る努力をしなければならない。そうした課題がなければ、現状に甘んじて、いい製品を作らなくなる。この種の買収によって、あまりに多くの米国のIT職が失われていることの経済的影響を危惧するべきだ」(同氏)
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