「自己責任」「一点豪華」――ネットで変わった消費スタイル
「自己責任消費」「一点豪華消費」「スパイク消費」――野村総合研究所(NRI)は10月24日、ITを活用した消費スタイルを10種類に分類して発表した。ブロードバンドによる常時接続が普及し、商品情報を検索できるようになったことで、新たな消費スタイルが生まれているとしている。
1997年から3年置きに実施している「NRI生活者1万人アンケート調査」で、2006年の結果をもとに分析した。調査対象は15歳から69歳までの男女1万71人で、訪問留置法で調査している。
総務省の通信利用動向調査によると、ブロードバンド接続の家庭は03年は12%だったが06年は39%に増加した。ネットを使って商品を検索し、情報を集めてから買う人が増えるなど、情報に対する感度が高まった一方、ブログなどの普及で、企業だけでなく消費者も情報発信できるようになった。「情報の主権者が企業から消費者に移行し、情報の“主権交代”が起きている」(同社サービス事業コンサルティング部の塩崎潤一上級コンサルタント)
10種のスタイルとは
NRIの定義するITを活用した消費スタイルは「自己責任消費」「スパイク消費」「ダブルウィンドウ消費」「スカイロケット消費」「一点豪華消費」「ロングテール消費」「オーダーメード消費」「アラート消費」「テイスティング消費」、「使いまわし消費」――の10種類。消費者がそれぞれのスタイルを、場面に応じて使い分けているとしている。
塩崎さんが最も重要と考える「自己責任消費」は、情報を取捨選択して商品を購入すること。「03年と06年を比べると『病院処方の薬の名前や効能を確かめる』『銀行の引き落としと請求書を突き合わせる』という人が増えている。ネットには異なる意見や評価、間違いも多いため、自分で判断するという自己責任の意識が芽生えた」(塩崎さん)という
「スパイク消費」は、ネット上の口コミなどがきっかけで商品の販売量が急激に増加すること。「テレビで取り上げられたりすると販売量が増えるというようなことは以前からあったが、ネットでは同じようなことがもっと細かい単位で頻繁に起きる」という。これに対して、テレビとPCを同時に立ち上げ、テレビCMなどで気に入ったものがあればすぐにネットで購入する「ダブルウィンドウ消費」も定義した。
スパイク消費と似たスタイルで、ネットで商品情報が広がった結果商品が急速に普及することを、株価が急騰する様子と重ねて「スカイロケット消費」と名付けた。
消費者の“こだわり”に深く関わるのが「一点豪華消費」「ロングテール消費」「オーダーメード消費」だ。「一点豪華消費」は、自分がこだわっている分野の情報をネットで収集し、その分野にだけ積極的にお金を使うというスタイル。「ロングテール消費」は販売量の極めて少ないニッチな商品を購入するスタイル、「オーダーメード消費」は消費者がオリジナルの商品を注文する――というものだ。
買い手側がオークションで購入価格を決め、それに合う商品があればアラートが鳴るよう設定する「アラート消費」、ネット上で情報を収集した後、実際にサンプルを試した上で購入する「テイスティング消費」、必要ないものはネットオークションなどで販売する「使いまわし消費」も定義した。
「消費者のIT化に対応するため、企業にはさらなるIT化が求められる」と塩崎さんは話し、マーケティングデータの管理や活用が従来よりも一層重要になってくるとした。
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