オートバイ運転で脳の機能向上、ストレス軽減も――川島教授とヤマハ発の研究
“脳トレ”で知られる東北大学の加齢医学研究所・川島隆太研究室とヤマハ発動機は3月4日、オートバイの運転が脳に与える効果を調べる共同研究の結果を発表した。日常的にオートバイに乗ると、脳の認知機能向上やストレス軽減など、脳と心の健康にポジティブな影響を与えるという。
運転時の大脳の前頭前野(記憶や感情、行動の制御などを行う部分)の活動を、日立製作所基礎研究所が開発した携帯型光トポグラフィー機器の試作機を使って計測した。現役ライダー5人(平均年齢45.6歳)と、10年以上ブランクのある元ライダー6人(同46.2歳)に運転してもらい、比較した。
現役ライダーは運転中、常に左半球背側前頭前野が活発化していた一方、元ライダーは発進や加速時に右半球背側前頭前野が活発化するなど、脳の使い方が異なっていた。現役ライダーの方が走行中に集中力が高まっていることも分かった。
オートバイを運転する生活習慣が脳に与える影響も調べた。日ごろオートバイを運転していない22人をくじで2グループに分け、一方だけが通勤などでオートバイを2カ月間使う実験を実施。各グループに対し、実験の前後で認知機能を調査し、結果を比較した。メンタルヘルスに関するアンケートも行った。
オートバイを使ったグループは実験後、使っていないグループよりも、記憶力や空間処理力などを調べる検査で得点がアップしており、オートバイを日常的に使うことで認知機能が向上していることが分かったとしている。
メンタルヘルスのアンケートでは、オートバイを使ったグループの方が、実験後にイライラ感や身体の不調、憂うつな気分などさまざまなストレスが減っていた。川島教授も、今回の実験に合わせてオートバイの運転を再開したところ、以前より「嫌なことやストレスが減ったと感じている」という。
川島教授は「オートバイを運転すれば、脳や認知機能を維持・向上させ、豊かな生活を送る『スマートエイジング』につながる」と話している。
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