立ち上がる3D市場 テレビが起爆剤に
3D市場が立ち上がり始めた。テレビに加え、3D対応PCや3D再生対応レコーダーなども市場をにぎわせ始めている。「3Dテレビは3D市場のプラットフォームで、市場の起爆剤。テレビの普及度合いが今後の市場拡大のカギを握る」と調査会社BCNの道越一郎アナリストは指摘する。
3Dテレビ市場にはパナソニックやソニー、シャープなどが参入。パナソニックは50V~65V型を5月末までに発売し、ソニーは6月3日、40V型、46V型を当初の予定より前倒しで投入した。
薄型テレビ販売に占める3Dテレビの金額ベースの割合は、6月3日を含む1週間(5月31日~6月6日)で3%と、前週(1%)の3倍に。台数ベースでは0.9%と、前週の0.2%から4倍以上に上昇した。今後、シャープなど各社が市場投入を進める予定で、シェアはさらに高まっていきそうだ。
ただ、3Dテレビは割高で、「いかにコストダウンするかが普及への課題」と道越アナリストは指摘。40V型液晶テレビは8万円台~13万円台がボリュームゾーンだが、ソニーの40V型「3D BRAVIA」は実売25万5000円、シャープが7月に発売予定の40V型「AQUOSクアトロン 3D」は実売21万7000円。プラズマテレビも、50V型は13~23万円台がボリュームゾーンだが、パナソニックの50V型「3D VIERA」は実売31万9000円する。
一方、レコーダーは、Blu-ray 3D対応機と非対応機の価格差が35~50%程度とテレビよりは縮まっているため、「テレビより先にレコーダーが普及する可能性もある」。5月のレコーダー販売に占める3D対応機の台数比率は1.3%だった。
夏商戦に向け、富士通や東芝、NECなど各社が3D対応PCを発表。3Dで撮影できるデジタルカメラも発売されるなど、テレビ以外の3D市場も立ち上がり始めている。今後、携帯電話やスマートフォン、デジタルフォトフレームなどさまざまな機器が3D対応していくとみられる。
ただPCやデジカメ単体だけでは用途は限られており、3D市場全体の拡大には3Dテレビの普及が必須。3D PCで編集した映像を3Dテレビで見る――など、テレビの普及で用途が広がる。「テレビが3D市場のプラットフォームとして機能するためには、薄型テレビの販売台数比で3D対応機が少なくとも2~3割、できれば5割前後を保つことが必要」
3Dテレビ本格普及の条件として、価格下落に加え、コンテンツの充実や、健康面へのリスクへの対応、裸眼3Dテレビの登場――などを挙げる。「地デジ移行で薄型テレビを購入したばかりの人も多く、そういう層には買い換えはまだ早い」というタイミングの問題も、普及のハードルになる可能性があるとみている。
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