ライヴシーンの革命「6chマルチUstream」「リハ全中継」 向谷実メロディーズライヴ(1/3 ページ)
Ustream+Twitterの熱気がライヴに結実
7月4日・渋谷Duoで行われた「向谷実メロディーズ “鉄道と音楽とゲームがいっぱい”ツアー」初日は、今までの音楽シーンの常識をすべて覆す革命的ライヴとなった。そのもようを徹底リポートする。(リポート:ライター・三上洋)
まず驚くのはネットライブ動画への取り組みだ。今までもUstreamなどを使った音楽ライヴのネット中継はあったが、今回は規模がケタ違いで、何と6チャンネルのUstreamを同時中継。6台のカメラを切り替えて見せるのではなく、6つの異なる放送を別のチャンネルで流している。
1ch:メインとなる向谷実氏のチャンネル。スイッチングで切り替えていくメイン放送
2ch:サブとなるJUNS(Ustream配信担当会社)のチャンネル。音声はドルビーデジタル5.1chサラウンド
3ch:向谷実カメラ。向谷実氏を常に追いかけ、ライヴ中はキーボードを天井から撮影
4ch~6ch:アーチスト個別チャンネル。ボーカル、ギター、サックスなどの個別カメラ
配信はライヴが始まる前からスタートしている。リハーサルが始まった午後2時30分ごろからUstream配信が始まり、音合わせやライヴの段取りまで、すべてを「ダダ漏れ」で中継。ライヴ演出の裏側をすべて先に見せるという信じられない取り組みだが、これは向谷実氏がチャレンジしてきた「音楽制作現場の可視化」の究極スタイルとも言える。
単にUstreamで流すだけではない。Twitterが演出チェックにも使われている。たとえばリハーサルの音を聞いた視聴者から「ボーカルが聞こえない」との指摘があれば、PAやライヴ配信のサウンドを微調整。Twitterでウケた面白い出来事があれば、それをライヴ中の話題に取り込んで話を広げていく、といった双方向スタイルだ。Twitter上でファンの声を取り込んでコンテンツをマッシュアップしていくのは、向谷実氏が中心となったプロジェクト・向谷倶楽部の得意技だ。
作曲・作詞・レコーディングまでをUstream中継した「向谷倶楽部」
今回のライヴは、ゲストの豪華さにも驚く。まずは、Twitterの世界ではおなじみとなった「向谷倶楽部」のメンバーだ。シンガーソングライターで「Choo Choo TRAIN」などの作曲でもおなじみの中西圭三氏、ギタリストで森高千里「私がオバサンになっても」などの作曲・プロデューサーとして有名な斉藤英夫氏、シンガーソングライターの坂本美雨氏(父:坂本龍一、母:矢野顕子)、J-WAVEなどのDJとしてもおなじみのサッシャ氏(Sascha)が参加した。
向谷倶楽部とは、向谷実氏が始めたUstream+Twitterの音楽プロジェクトに参加しているアーチストとファンの集まりだ。向谷実氏と中西圭三氏が、作曲の現場をUstream+Twitterでナマ中継したことからスタートし、作詞はTwitterで公募、デモテープをネットで無料配布、さらにレコーディング現場を8chのマルチUstreamで配信するという前代未聞のソーシャルな音楽制作で話題となった。
ここで生まれた「Twilight Stream」と「21st Love Express」は、iTunes Storeなどで販売され、シングルチャートで総合8位となるヒットとなった。今回のライヴは、このソーシャルな音楽制作プロジェクトの総決算と言うべきもので、「Twilight Stream」と「21st Love Express」がライブで初披露されている。
さらにゲストとして、ゲーム音楽の巨匠・伊藤賢治氏、シンガーの岸川恭子氏も参加。伊藤賢治氏は「ファイナルファンタジー」「ロマンシング サ・ガ」「聖剣伝説」などの曲・サウンドを手がけた作曲家だ。伊藤賢治氏と向谷実氏というコラボレーションも、UstreamとTwitterを通じて実現したものだ。事前の打ち合わせをUstreamで中継し、ライヴの曲目もTwitterでの投票で決めるという今までにない取り組みを行っている。
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