「こんなにきれい。これが現実」 はやぶさカプセル、帰還後初公開
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月29日、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルの一部などを、神奈川県の相模原市立博物館で、報道陣に公開した。地球に帰還してから初の公開で、30日、31日は一般向けに展示する。
カプセルはきれいな状態で焼け焦げた跡なども確認できない。はやぶさのプロジェクトマネージャーを務めたJAXA川口淳一郎教授は「こんなにきれい。これが現実だ。日本の科学技術が作ったんだと知ってほしい」と、本物を展示する重要性を訴えかけた。
展示は、小惑星「イトカワ」の砂を入れる容器をのぞいたカプセル本体、カプセルを大気圏突入時の高熱から守ったおわん型の2枚組シールド、カプセル内部に搭載されていたた電子機器、着陸時に使われたパラシュート、カプセルの模型の6点。カプセル内部は、7年間・60億キロの旅を経てきたとは思えないほどきれいな状態だ。
一方、シールドは表面に焦げや燃え残った金色のテープを確認できる。内部には、JAXAの住所や電話番号を英語で書いたシールも。シールドが見つからず、誰かに拾われた場合を想定して残したものだ。「拾った人が鉢植えにしたら困るので」(JAXA山田哲也准教授)。だが記載した電話番号はすでに変わっており、使われていないという“オチ”を、川口教授が明かしていた。
はやぶさ経由で地球からの指令を受け取り、パラシュートを開いたり、ビーコン電波を出したりする電子機器は、着陸時の衝撃に耐えるため、基板の間を樹脂で埋めて補強している様子などを見て取れる。パラシュートは、開く際に絡まないようネットが張られていたり、回収時に見つけやすいようレーダーを反射する布が付いていたりと、工夫の跡をうかがい知ることができる。
カプセルははやぶさから切り離す際、カプセルとはやぶさ本体をつなぐ「アンビリカルコード」(へその緒)と名付けられたコードを切断する仕組みだった。「ここにあるのは、はやぶさの“子ども”だ」と、川口教授は展示品に温かいまなざしを向ける。
カプセルの一般公開は、6月の帰還から1カ月半というスピードで実現した。「はやぶさは研究者だけの資産じゃない。国民の財産ですから」(川口教授)。宇宙に行ってきた部品には「“真実が語る力”というものがある。本物を見せられることは何よりも最高に幸せ」と顔をほころばせ、「焼け焦げたものを想像していたかもしれないが、こんなにきれい。これが現実だ。日本の科学技術が作ったんだと知ってほしい」と訴えた。
カプセル公開に合わせ、JAXAの研究所がある相模原市は、市民に夢を与えた功績を称える「称賛の盾」をはやぶさプロジェクトチームに贈呈した。加山俊夫相模原市長は「はやぶさは大きな夢と感動を与えてくれたすばらしい功績。誇りに思っている」と話していた。
相模原市立博物館は、JR横浜線淵野辺駅からバスで約15分、「市立博物館前」下車すぐ。展示は午前9時30分~午後5時までで、入場無料。
8月2日~6日はJAXA筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で、8月15日~19日は丸の内オアゾ(東京都千代田区)でも展示する。
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