300万円の鉄道ジオラマ、声優の卵のモーニングコール――アキバの“地域密着ホテル”に突撃(1/2 ページ)
300万円の鉄道ジオラマをひとり占めできる部屋が、東京のJR秋葉原駅から徒歩1分の「秋葉原ワシントンホテル」にある。興奮でなかなか寝付けないという宿泊者がいるほど、鉄道ファンにとって“熱い”部屋だ。
夜更かしして寝坊してしまいそうだが、心配はいらない。声優の卵が声を吹き込んだモーニングコールも提供しており、はきはきした女性の声で「二度寝なんかしちゃだめですよ!」と起こしてくれる。
鉄道部屋はシングルルームで、宿泊代は平日2万3000円、土曜・休前日2万5000円。今年6月に提供を始め、稼働率は5割だ。同等の部屋より割高だが、ホリデーシーズンの8月に入ってからは、8割の日が予約で埋まっているという。
人気の秘密は何だろうか? 記者が実際に体験してみた。
部屋の5分の1が鉄道ジオラマ
JR秋葉原駅の中央改札口を抜け、右手に進むとすぐに、秋葉原ワシントンホテルが見えてくる。白っぽくてきれいな外観だが、今年で創業30年。時代の流れに合うホテルに生まれ変わるため、5月にリニューアルした。
鉄道部屋は1室のみで、13階にある。ドア横に飾られたプレートには、部屋の名前「クハネ1304」が書かれている。クハネは鉄道の車両形式分類記号で、「ク」が運転台のある車両、「ハ」が普通車、「ネ」が寝台車という意味だ。
さっそく中に入ってみた。まずはベッドが1台見える。普通のシングルルームと変わりないかと思ったら、L字型の鉄道ジオラマが目に飛び込んできた。で、でかい!! ジオラマの大きさは4平方メートルで、部屋(21平方メートル)の約5分の1を占めている。
ジオラマは、東京タワーや秋葉原駅、高層ビルなど都心の街並みや箱根の山を再現。レールに、持参したNゲージの鉄道模型を乗せ、同時に4路線走らせられる。レールの総延長は約30メートル。1日1000円で4両の鉄道模型を貸し出すサービスもあるが、まだ1件ほどしか利用されていないという。
模型を借り、さっそく走らせてみることにした。ベッドに腰掛けるとちょうどいい場所に模型のコントローラが。ブレーキとアクセルの役割を果たすハンドルが付いている。説明書には「マスコンハンドルを惰行の位置に、ブレーキハンドルを非常の位置に」とある。
聞きなれない言葉に少し戸惑いつつ、コントローラーの電源を入れてハンドルでブレーキを解除すると、レールの上の模型が、「シャー」「カタンカタン」と小さな音を立てて走り始めた! 速度をあげたり、突然停めたりと、楽しんでいるうちに、運転手のような気分になり、興奮した。
ジオラマには電飾もついている。部屋の電気を消して、電飾を点灯すると、まるで本物の夜景を部屋の中に持ち込んだようだった。
ジオラマを制作したのは、鉄道博物館などのジオラマを手掛けるディディエフ。鉄道模型が走るバーとして人気の「バー銀座パノラマ」の鈴木邦夫さんが監修した。
総製作費は300万円、製作期間は3カ月。目の肥えた鉄道ファンに喜んでもらえるよう、手の込んだものを作ったという。宿泊客が鉄道部屋の感想を書くノートには「午前2時にやっと寝付きましたが、興奮が冷めず、午前5時には起きて鉄道模型で遊んでいました」などとあり、評判は上々だ。
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