ミクシィ、ソーシャルグラフの収益化に本腰
ミクシィが5月10日に発表した2010年度(11年3月期)の連結決算は、売上高が前年同期比24.1%増の168.7憶円、連結営業利益が22.5%増の33.7憶円と増収増益だった。今期はマイミクシィ同士のつながり(ソーシャルグラフ)を活用した“ソーシャルビジネス”を加速し、「本格的に収益面に手を打つ」(笠原健治社長)としている。
10年度はプライバシー機能の強化や新機能の追加などによるソーシャルグラフの活性化、スマートフォン対応やAPIの公開などによるマルチアクセス化の推進でユーザー数を大幅に伸ばし、日記やボイスなどを合わせた月間の「総コミュニケーション投稿数」は3月で7億を突破。中でも1~3月期にユーザー数・投稿数が大幅に伸びたのは「震災で伸びた部分もある」という(地震、その時mixiは 「頑張っぺし」――集まる被災者の声、飛び交う超ローカル情報)。
今期は、広告コミュニティに「参加」しているマイミクの情報を表示するバナー広告(ソーシャルアド)による広告収益拡大を図っていく。またソーシャルアドと、利用しているサービス情報を友人に伝えるソーシャルフィード機能を組み合わせ、ユーザーのソーシャルグラフに波及していく広告を提供。既存の広告よりも効果の高い広告商品として、本格的に展開していく。
クリスマスに展開したソーシャルアドでは、通常の広告に比べ、参加しているマイミク情報を表示した広告はCTR(Click Through Rate)が6倍に向上したという。
「ミクシィ年賀状」もソーシャルフィードの活用例の1つ。マイミクからの情報で興味が促進され、昨シーズンは100万枚以上の注文があったという。今後、ソーシャルアド/フィードを活用していくことで、有料デジタルコンテンツの流通や、外部ECサービスとの連携によるギフト需要の開拓など、ソーシャルグラフを軸に多用な収益化を図っていく。
Facebookが国内でもユーザー数を伸ばしているが、笠原社長は「今期も市場全体として大きくなっていくと考えている」とした上で、「(Facebookとの)差別化というより、“よりクローズドに、より親密に、友人たちと心地よく”というmixiのもともとのコンセプトを推し進めていきたい」と話した。
震災の影響について、3~4月は企業の広告自粛などの影響によって「おそらく3億円ほどのインパクトはあった」とした。5月以降は順調に回復してきているものの、現在もキャンペーンが一部中止になるなどの影響があり、「本調子に戻るまではまだ時間がかかる」とした。今期は計画停電への対策としてサーバ冗長化へ投資していく方針だ。
今期の業績予想は、売上高が12.6~21.5%増の190億~205億円、営業利益が0.8~12.7%増の34~38億円、経常利益が10.4~23.8%増の33~37億円、純利益が19.4~37.4%増の16.5~19億円。
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