iPhoneに機種変なのに充電器やカードリーダーも、総額12万円──KDDIに販売方法改善求め野洲市が要望書
iPhone 5に機種変更したら充電器やタブレットなど総額12万円超の購入契約と複数の通信契約を結ぶことになった──滋賀県野洲市はこのほど、KDDIに対し「販売方法が多数の消費者とトラブルを生じさせるおそれがある」として改善を求める要望書を送ったことを明らかにした。
問題になったケースでは、iPhone 5に同梱されているはずのポータブル充電器や、SDメモリーカードリーダー/ライターなどが最初から見積もりに含まれていた上、通信契約の説明なくタブレットも勧められ、購入していたという。同市は消費者への十分な説明に加え、「まず最初に必要最低限の価格を消費者に提示してほしい」などと求めている。
タブレットは「iPad mini」だと思っていた
同市によると、今年8月、同市在住の30代の女性が、子どもの携帯電話を機種変更するために店を訪れ、iPhone 5(5万1360円)を購入。この際、テザリングサービス(月額525円、最大24カ月無料)や「auビデオパス」(月額590円)を契約したほか、液晶保護フィルム(1260円)、ポータブル充電器(8085円)、SDカードリーダー/ライター(9765円)が当初見積もりに含まれており、購入した。充電器は同梱されているとの説明はなく、カードリーダー/ライターも「旧端末からのデータ移動に必要」と説明されたという。
またタブレット「AQUOS PAD」(3万9900円、液晶フィルム1470円、ケース4095円、microSDカード5250円)も購入、モバイルルータ「Wi-Fi WALKER WiMAX」による「WINシングルフラットWiMAX」を契約した。販売店から「タブレットは家のネット回線を使えば通信料無料」と説明され、タブレットは本体代金だけだと思っていたが、実際にはタブレットの通信契約もされていた。女性はこのタブレットをiPad miniだと思っていたという。
モバイルルータも「外でタブレットを使いインターネットを利用する際に必要」「必要な時だけ利用し、使わない月は無料で持てる」と言われて契約したが、実際にはタブレットは単体でLTE通信ができ、ルータは2年後からは使わなくても基本料金が発生する内容だった。
この日結んだ契約は物販・通信契約含め6つとなり、物販だけで総額12万1185円に上った。
女性はスマートフォンユーザーだったという。自宅に帰ってから、タブレットやモバイルルータは不要な上、iPhone 5に充電器が同梱されていたため、別途購入した充電器は返品したいとして同市に相談。同市は消費者安全法の消費事故に該当する可能性があるとして苦情処理を進めた。
「会社からの指示」
同市と女性、販売店、KDDI滋賀支店の4社で面談したところ、(1)当初見積もりに付属品やオプション契約の内容と金額をセットにして提案する販売方法、(2)スマートフォン購入者に対し使用目的や知識・経験などを考慮せず一律にタブレットなどの関連商品を勧誘──していることが分かり、同市によるとこれは「会社からの指示であることが確認された」という。
結果的に、充電器やカードリーダー/ライターの物販契約やタブレット、モバイルルータの物販・通信契約は解約できた。同市の改善要望に対しKDDIカスタマーサービス本部の担当者が同市を訪れて説明したが、同市は報告書の内容が再発防止には不十分として、同社への要望書の提出に踏み切った。
同市は要望書で(1)消費者と販売業者との情報格差、複雑な通信契約を十分留意し、「無料」「タダ」といった言葉に注意して接客販売してほしい、(2)最初に必要最低限の価格を提示し、その上で加算方式で接客販売してほしい、(3)タブレットが必要と思えない障害者や高齢者などに一律的な勧誘を行わないでほしい、(4)形式的に重要事項説明書で確認するだけではなく、各項目に対し消費者の知識・経験を考慮して丁寧で分かりやすい説明をしてほしい──としている。
スマートフォンの複雑な契約を十分に理解できずに購入してしまったという相談が増えており、同市は「トラブル発生の原因と思われる点があり、改善の余地があると思われることから要望書を作成した」としている。「実例に応じた対応を検討していただくため」として総務省にも要望書の提出を報告した。
KDDIの田中孝司社長は10月、スマートフォン購入の際に「auスマートパス」などの契約を強制されるケースがあることについて認識していることを明らかにし、「店頭で改善を進めている」と述べていた。
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