動画配信と宅配レンタルが合体!――生まれ変わった「TSUTAYA TV」
「Netflix」の上陸を間近に控え、にわかに注目が集まっている月額定額制(サブスクリプション型)の動画配信サービス。しかし、こと新作映画を見たいと思えば、個別課金の動画配信やDVD/BDレンタルのほうが早いというのが実情だ。そこに目をつけ、定額制見放題とレンタルを組み合わせたサービスが登場した。
動画配信サービス「TSUTAYA TV」を運営するT-MEDIAホールディングスは、2008年のサービス開始以来となる大規模なリニューアルを実施した。システム改変に少々手間取ったものの、8月31日にサイトを新装オープン。フリートライアルの内容なども同時に発表している。
リニューアルのメインは、BD/DVD宅配レンタルの「TSUTAYA DISCAS」事業と合体させ、ユーザーがシームレスに利用できるようにしたことだ。従来は「TSUTAYA TV」の料金メニューにはタイトル個別課金のストリーミングレンタルとセルスルーのほか、4300エピソード以上の対象商品から20作品までを月額1008円で視聴できる「セレクトプラン」などがあった。一方、「TSUTAYA DISCAS」の会員は同じログインID/パスワードでTSUTAYA TVを利用し始めることができ、「セレクトプラン」を選ぶと月額838円(会員特別価格)をプラスして動画配信を20本まで視聴できた。
新メニューでは、この“20本の制約”を撤廃。新しい「見放題プラン」では月額933円(税別)の固定料金で旧作を中心とする対象の動画が月“見放題”になるほか、新作2本をレンタルできるポイント(1080円分相当)が毎月付与されるという。
また宅配レンタルの「DVD/CD借り放題プラン」(月額1865円)に動画配信の「見放題プラン」を組み合わせた月額2417円の「借り放題+見放題プラン」も用意する。このの場合、対象タイトルは動画配信の5万タイトルに宅配レンタルのDVD/BDなど23万タイトル、CD17万タイトルとなる。T-MEDIAホールディングス取締役COOの根本浩史氏は、「ないものがない、国内で一番品ぞろえの良い映像サービスだ」と胸をはった。
ダウンロード機能にショートカットキー
TSUTAYA TVは、PCやテレビ、スマートフォンなど複数のデバイスで視聴できるマルチデバイス対応のサービスだ。今回はそれぞれのユーザーインタフェース(UI)も刷新。根本氏によると、「デバイスごとに適した操作方法を採用するとともに潜在的なユーザーニーズに対応した」という。
例えばスマートフォンでは、高画質(HD)から標準画質(SD)までをユーザー側で選択できるようになったほか、新たにダウンロード機能を追加した。あらかじめWi-Fi環境で端末側にコンテンツを落としておけば、通信環境の良くない場所でも視聴できる上、通信容量の節約にもなる。
さらに再生時には最大2倍速までの“早見機能”をプラス。時間がない人でも楽しめるようにした。逆に「英語学習などでセリフをゆっくりと聞きたい人は0.5倍までのゆっくりとした再生スピードも選択できる」(T-SITE事業本部映像ユニットの横森正樹ユニット長)。
一方、テレビの画面ではショートカットキーで素早く操作できるようになった。画面上では「2 レンタル中/購入済み」や「6 マイメニュー」といったように各メニューに数字がふってあり、リモコンの数字キーを押すとダイレクトに選択できる仕組みだ。方向キーでカーソルを合わせ、決定キーを押すといった操作に比べ、サクサクと操作できるという。また、どの画面を表示していても数字キーの「1」を押せばトップ画面に戻ることができる点もポイントだ。
作品紹介では、予告編にこだわったことも特徴の1つ。これは、「細かい文字で読むよりも分かりやすく、ユーザーの負担を減らすことができる」という判断だ。例えば「おすすめ作品」では作品詳細ページで予告編を選択できるほか、ストアメニューに予告編だけを集めたページを用意したり、PCの画面でも新作予告編が表示されるなど、内容を簡単に把握できる予告編を随所で活用している。
一方、膨大なコンテンツを抱えるサービスでは、ユーザーと作品の出会いを作るレコメンド機能も重要だ。そこでTSUTAYA TVでは、もともと持っていた「業界ナンバーワンのエンタメ商品データベース」(同社)に5000万人のT会員データベース、さらにソーシャル映画レビューサイト「Filmarks」(フィルマークス、運営はつみき株式会社)の情報を組みあわせてオススメ作品をピックアップするリコメンド機能を実現する。
つみきは、CCCグループがベンチャー企業向けに行ったパートナーシップ&支援プログラム「T-VENTURE PROGRAM」の第1期受賞企業で、「Filmarks」には800万強という会員の感想や評価が掲載されているという。ユーザー参加型のプラットフォームを作品選びに役立てる。膨大なコンテンツと会員を持つCCCグループならではの機能になりそうだ。
なお、同社ではフリートライアルとしてテレビで視聴する場合は14日間の「動画見放題」無料、PC/スマートフォンではDVDと動画配信の「借り放題+見放題」を30日間無料で提供する。
DVDレンタルを組みあわせ、新作にも強い動画配信サービスを目指したTSUTAYA TV。根本氏は、「例えば7月27日~8月2日のTSUTAYAレンタルランキングに入った人気作20タイトルのうち、ほかの定額制見放題サービスで見ることができる作品は1作品しかなかった。われわれは映画が好きなユーザーに向け、かゆいところに手が届くサービスを提供したい」と話している。
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