水と風、揺れるシート、ヒロインの香り──体感型「4Dシアター」のすすめ
新しい映画館の楽しみ方として、「4D」と呼ばれる体感型シアターの存在が近年盛り上がっているのをご存じだろうか。前後上下左右に動くシートや水しぶき、風、フラッシュ、煙、香りなど、映像にあわせてさまざまな演出を仕掛けることで、映画への没入感を高める最新の上映システムだ。
最近公開された作品では、「ワイルド・スピード ICE BREAK」「ゴースト・イン・ザ・シェル」「美女と野獣」「劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」などが4D上映に対応。直近では「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」などの上映が予定されている。4D上映は通常版の公開から時期を空けずに公開されることが多く、後出しになりにくいのも特徴だ。
「SAO」の4D上映はかなりイイ!
筆者が4D上映を鑑賞するタイトルとして個人的にオススメしたいのが、劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-だ。通常版は4回ほど劇場に足を運んで見ているのだが、ある紳士から「4Dならヒロイン・アスナの香りが嗅げるぞ!」という報告を受け、MX4D版の鑑賞を決めた。
AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を題材にしながら、激しい戦闘シーンが豊富に用意されているソードアート・オンライン。シート連動型の鑑賞システムとさぞかし相性はいいだろうと思っていたが、これが予想以上に素晴らしい。
剣を交えた戦闘シーンでは、キャラクターたちが体を大きく動かすたびにシートが左右に激しく振られ、振られ、振られ続ける。飲んでいた飲み物(ふた付きなら4Dでも大丈夫だ)が胃の中で音を立てて揺れるのだ。劇場内に入る前に荷物はコインロッカーに預け、売店で購入したポップコーンはこぼれないようにビニール袋へ入れるよう指示されるだけのことはある。
後半になると「もう勘弁してくれ……」と、うなってしまったほど。巨大な敵モンスターが間近に迫るシーンでは、ミストと風によってモンスターの息遣いが感じられるような体験もある。これほどまでに4D上映を味わうのに適した作品はめったにないのではないだろうか。
アスナが登場するロマンチックなシーンでは、彼女をイメージした香りが劇場に広がるのだが、香り散布用の装置が「ウィーン、プシュー」と音を立てるのは、かなりシュールで苦笑してしまった。しかも決していい香りでなかったような……?
──このように、劇場の4D上映では、自宅やモバイルデバイスでは得られない体験が可能になるというわけだ。4D上映は映画を見るというより、遊園地のアトラクションに近い。鑑賞できるのは一部の劇場に限られるが、その迫力を一度でも味わえば、劇場に足を運ぶ価値を実感できるはず。
現在、日本で展開されている主流の4Dシアターは「4DX」「MX4D」の2種類。それぞれの特徴を紹介しよう。
「4DX」
韓国CJ 4DPLEXが開発した特殊効果上映システム。国内ではユナイテッド・シネマ、イオンシネマ、コロナワールドなどに導入されている。シートと劇場内の装置によって、上映される映画に連動する特殊効果を体感できる。料金は通常の鑑賞チケット代にプラス1000円(3D作品はプラス1400円)。
体験できる特殊効果は「(座席の)モーション」「(顔をかすめる)空気」「(劇場全体に発生する)風」「水しぶき(ミスト)」「バブル(泡)」「雪」「嵐」「香り」「フラッシュ」。
対応する劇場は「ユナイテッド・シネマ」「コロナワールド」「イオンシネマ」「109シネマズ」「シネマサンシャイン」。
「MX4D」
米MediaMationが開発した特殊効果上映システム。国内ではTOHOシネマズ、イオンシネマなどで導入されている。こちらはシートの仕掛けが充実しており、特に首元や足元に伝わるギミックが特徴だ。料金は通常の鑑賞チケット代にプラス1200円。
体験できる特殊効果は「(座席の)モーション」「シート効果(背中をつつく、首元に触れる、足元に触れる、突き上げ感、地響き感)」「(顔をかすめる)突風」「水しぶき(ミスト)」「風」「霧」「香り」「フラッシュ」。
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