「違法ダウンロード対象拡大」法案、文化庁が意見公募 ネット上では「誘導的な質問ではないか」など疑問の声も
権利者の許可なくアップロードされたコンテンツを、違法と知りながら私的にダウンロードする行為を著作権法違反とする範囲を、漫画や論文など著作物全般に拡大する法改正案について、文化庁がパブリックコメントを実施している。同法案は「一般ユーザーの萎縮を招く」などの批判を受け、3月に国会提出が見送られたが、文化庁は「より慎重に検討するため、国民の懸念事項などを幅広く募る」としている。しかしネット上では、パブコメの設問を巡って「違法化に賛成するよう、誘導する質問ではないか」と疑問視する声も上がっている。
同庁は「深刻な海賊版被害への実効的な対策を講じること」と「国民の正当な情報収集などに萎縮を生じさせないこと」を両立した案を作成する──という方針を掲げ、国民から意見を集めた上で具体的な制度設計などに生かすとしている。
パブコメ内では、上記の2点を両立させた形で「ダウンロード違法化」を行うことに賛成か否かや、スクリーンショットを保存する際に違法画像が入り込むと違法になることに対し懸念があるかどうかなどを問う項目がある。受付期間は10月30日まで。
文化庁は、公式Twitter上で「国会提出見送りの経緯を重く受け止め、より一層慎重かつ丁寧に検討を進めていくこととし、まずは、国民の皆さまの懸念事項や、それを解消するために必要な要件設定の在り方などについて幅広く意見を伺いたい」と狙いを説明。パブコメの結果などを基に、漫画家をはじめとする関係者・有識者を交えて、検討を深めていくという。
「質問が誘導的では」疑問の声も
しかし意見公募が始まった直後から、ネット上では、その設問内容を巡って疑問の声も上がっている。
情報法制研究所(JILIS)の理事を務める高木浩光氏は、Twitter上で「基本的な考え方」を問う最初の設問について、「そもそも『両立させた形』なんぞ不可能。前提が成り立たないとの回答選択肢が用意されていない」と指摘。「両立するんだったら『反対』に投票する人おかしいでしょ? 強制的に『賛成』と答えろという設問じゃん」(同氏)
他のネットユーザーからも「質問が誘導的ではないか」「賛成が多数になり、ダウンロード違法前提で話が進むのではないか」などと懸念する声が上がっている。
また、見送られた法案が資料として添付され、新しい具体的な法案がない状態で国民から意見を募っても、抽象的な意見しか出てこないのではないか──といった指摘も出ている。
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