山手線の車両を5Gの“ミリ波エリア化” JR東とKDDIが初めて実証──ガラスアンテナで電波を車内に
KDDIと東日本旅客鉄道は5月20日、JR山手線の車両内で5G(ミリ波)の通信エリア化する実証に成功したと発表した。ミリ波が通りにくい鉄道車両で、窓に設置したアンテナで受信した電波を増幅し、車内に再放射する取り組みは国内初だという。
今回の実証では、3月3日から4月15日にかけて、JR東日本の東京総合車両センターに留置中の山手線車両内で検証を実施。沿線のミリ波基地局から放射された電波を、車両の窓に設置した「ミリ波対応ガラスアンテナ」で受信し、アンプで増幅した上で低損失の誘電体導波路を用いて伝送、車両の天井に設置した漏洩アンテナとロッドアンテナから車内へ再放射した。
その結果、車両全体の約97%で通信速度1Gbpsを達成した。これまでは40%程度にとどまっていた。両社は今後、屋内環境全般へミリ波の活用を広げ、通信品質と利便性の向上を目指すとしている。
5Gのミリ波は28GHz帯の広い帯域幅を活用することで高速・大容量通信を実現する。KDDIはこれまで、無線中継器を活用してビル街などの屋外を中心にミリ波エリアを拡大。JR東日本との共同取り組みでは、2025年4月に新宿駅ホーム、10月に高輪ゲートウェイ駅周辺、3月に東京駅新幹線ホーム上でミリ波エリアを段階的に拡大してきた。
一方、ミリ波の電波は直進性が強く、遮蔽物の影響を受けやすいため、エリア展開が課題としてきた。とくに鉄道車両のような金属で全体が囲われた環境ではミリ波が到達しにくく、既設の基地局や中継器だけではエリア化が困難という課題を抱えていた。
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