会話できる探査機、JAXAが開発へ SF映画のような「人と対話しながらミッションに挑む」実現
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月3日、音声AIなどを活用した体験の企画開発を手掛けるイディナ(神奈川県横浜市)と共同で、探査機などの宇宙機と会話できるインタフェース「Mission Buddy」の概念設計・検証に6月から取り組んでいると発表した。
同活動は、民間事業者とJAXAが協力して新たな発想の宇宙関連事業の創出を目指す研究開発プログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」のもとで立ち上げたプロジェクト。探査機の運用者や展示館を訪れた子どもが会話によって探査機の情報にアクセスできるようにすることを目的にしており、両者は「SF映画に描かれるような、人と宇宙機が対話しながら困難なミッションに挑む関係」の実現に向けた第一歩と位置付ける。
Mission Buddyは、探査機や人工衛星などの宇宙機が自らの声で話し、利用者の問いかけに応答するインタフェース。開発には、音声合成技術や生成AI技術に加え、イディナが持つ対話基盤・人格設計基盤を活用する。両者は、宇宙機を単に擬人化する仕組みではなく、ミッション情報や観測データ、運用知見、研究成果をもとに、研究者・運用者、教育機関、一般利用者を対話でつなぐ「認知インタフェース」と説明する。
宇宙機の運用では、機体の状態把握や過去データの確認を、画面上の数値・文書・グラフといった視覚情報に頼るのが一般的だ。探査機や国際宇宙ステーションのような長期運用では、過去のデータや知見を熟知した人材の経験も重要になるが、こうした経験は視覚情報だけでは伝えにくい「暗黙知」であり、運用者の入れ替わり時の引き継ぎが課題だった。
広報の面でも、分かりやすさ、科学的な正確性、多言語での発信の3つを両立する必要がある一方、現状はテキストや動画による一方通行の発信が主流だという。両者はMission Buddyを通して、運用と広報の両面でこうした課題の解決を目指す。
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