三菱UFJ半沢淳一社長「企業の資金ニーズに対応」 個人向け「エムット」でAI活用も
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の半沢淳一社長は7月6日までに産経新聞のインタビューに応じ、日銀の利上げで「金利のある世界」が本格化する中、企業の資金需要を取り込むため、事業戦略の提案力を高める考えを示した。個人向けには、デジタル総合金融サービス「エムット」でAIを活用して利便性を高め、預金獲得の取り組みを強化すると強調した。
半沢氏は金利が上向き、日本経済が持続的な成長軌道に回帰する流れにあると指摘。その上で「銀行だけでなく、証券や信託も一緒になって総合的なソリューション(課題解決策)を提案し、資金ニーズが必要なものにはしっかり対応する」と話し、収益基盤の強化を図る考えを示した。
同時に、「金利上昇がずっと続くわけではない」として、「次のステージに向け、顧客の課題起点で資金を循環させることで、手数料収益を上げられるようなモデルも考える」とも語った。
個人向けでは「預金獲得戦略をどうするか考えないといけない」として、エムットの利便性向上で顧客の囲い込みを急ぐ方針を強調した。米GoogleやOpenAIとの連携を通じ、AIを活用した新サービスを模索しており、「先進的な体験を顧客に提供する」と述べた。
この米2社側のサービスに、三菱UFJの金融機能を実装する構想も語った。旅行商品の決済などを想定し、顧客接点の拡大につなげたい狙いだ。
一方、金融界ではAIの悪用によるサイバー攻撃の懸念が拡大している。半沢氏は「サイバー攻撃が高頻度かつ高度化する可能性があり、危機感を持って対応しないといけない」と述べ、システムの脆弱性検証などを始めたと説明した。
システムの脆弱性が見つかった場合は、修正プログラムを実行する必要がある。この作業の際は「システムを停止しないといけない可能性がある」と説明。その場合は「顧客の財産の保護を利便性よりも優先することになる」との認識を示した。(中村智隆)
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