「Made by Google」イベントで発表したこと 手話のリアルタイムテキスト化や「Health Guardian」など

 米Googleは8月12日(現地時間)、ニューヨークで新製品発表イベント「Made by Google 2026」を開催した。司会進行はコメディアンのトレバー・ノア(昨年はコメディアンのジミー・ファロンだった)。新製品のスペックや価格は数時間前にGoogleストアで公開されているので、本稿では手話のリアルタイムテキスト化機能など、興味を引いたトピックのみ紹介する。

司会のトレバー・ノア(左)とプラットフォーム&デバイス担当上級副社長のリック・オステルロー氏(画像:YouTubeより、以下同)

手話をテキストに変換する「SL2T」、「Gboard」と「音声文字変換」に搭載

 Google DeepMindが開発した手話テキスト変換モデル「SL2T」(sign-language-to-text)が紹介された。スマートフォンのインカメラで手や腕、上半身、頭部、表情の動きを読み取り、その意味をテキストに変換する機能。手話は音声言語と語順も文法も異なるため、単語単位の置き換えではなく文全体の意味をとらえる設計になっている。

SL2Tのデモを行う俳優のダニエル・デュラント

 新スマートフォン「Pixel 11」シリーズを皮切りに、入力アプリ「Gboard」と文字起こしアプリ「Live Transcribe」(音声文字変換)で利用できるようになる。Web検索やメッセージ作成、Geminiへの指示にも使える。学習データは50以上の言語にわたる10万時間以上の手話データで、うち約4分の1が米国手話(ASL)。提供開始段階ではASLから英語への変換のみだが、今後他の手話へも拡大していくとしている。追加料金はかからず、他のAndroid端末にも順次展開する見込みだ。開発に当たっては、世界各地のろう者団体や専門家で構成する諮問委員会「AI Sign Language Advisory Committee」を設置し、性能と限界をまとめた影響評価レポートを共同執筆したという。

Pixel Watch 5の「Health Guardian」、月次で3つのトレンドを要約

 新スマートウォッチ「Pixel Watch 5」では、プロアクティブな健康・安全機能群「Health Guardian」を導入する。同意を得たユーザーの膨大なセンサーデータで学習し、臨床測定の標準的手法に照らして検証したという「Health Foundation Models」を基盤に、「血管ストレス」「代謝ストレス」「睡眠中の呼吸の質」の3つを月次サマリーとして提供する。イベントでは、それぞれ血圧トレンド、インスリン抵抗性トレンド、睡眠時の呼吸の質トレンドと説明された。

Pixel Watch 5では血管ストレスなどの月次サマリーを提供する

 血圧計や血糖センサーを新たに搭載したわけではなく、心拍のリズムや睡眠、日中の活動量などの既存センサーの信号を組み合わせて推定する仕組みだ。Googleは、糖尿病や高血圧、睡眠時無呼吸症候群の事前スクリーニングを目的とするものではなく、リアルタイムの臨床測定値でもないとしている。初回の詳細サマリーは着用開始から1カ月後に届き、順次提供を開始する。軽量ウェアラブルの「Fitbit Air」を含むGoogleのウェアラブル製品群にも順次提供を拡大していく。

AI機能群「Gemini Intelligence」

 イベント全体の柱として掲げられたのが、AI機能群「Gemini Intelligence」だ。友人からの誘いのメッセージを検知して予定を確認し、カレンダーへの保存やレストランの予約までをアプリを切り替えずに済ませる、といった複数ステップのタスク処理が中核となる。ただし、この複数ステップ処理は現時点では日本未対応で、今後さまざまなアプリへの対応を通じて追加していく予定だ。

 「Rambler」(日本では「AI音声入力」)は、「えーと」「あの」などのつなぎ言葉を取り除き、話し手の意図をくみ取って整った文章に仕上げる機能。話す途中での言語の切り替えにも対応する。

 位置情報に基づくインサイト機能はプレビュー版として展開中で、例えばレストランで席を待つ間、ロック画面に店の情報が表示され、タップするとGoogleマップの多数のレビューを基にした人気メニューやおすすめの席が確認できる。

カメラは「撮り方」から見直し、マジック キャプチャーとカメラスタイル

 カメラ機能では、シャッターチャンスを機械に任せる「マジック キャプチャー」を投入した。1回タップして構えるだけで、端末上のインテリジェンスとGeminiモデルが約400フレームを解析し、最適なタイミングの12メガピクセル写真を切り出す。トリミングやボケ補正を自動で適用し、モードを切り替えることなく動画も同時に記録する。

 「カメラスタイル」は撮影時に写真の仕上がりそのものを選べる機能で、標準設定として「ナチュラル」「シャドー」「バニラ」の3種類を用意する。

 このほか、スクロールするテレプロンプターやSNS用のグリッド線、撮影後の並べ替えができるストーリーボード機能をまとめた「クリエイタースイート」、カメラのファインダー内から直接使える「かこって検索」も追加した。

Proモデルの背面が光る「HiLight」

 「Pixel 11 Pro」「Pixel 11 Pro XL」「Pixel 11 Pro Fold」には、カメラのフラッシュ周辺に内蔵したカラーLEDが光る「HiLight」を搭載する。端末を伏せて置いていても、Geminiが聞き取り中か、思考中か、応答中かを光のパターンで示すほか、着信時には連絡先ごとに割り当てたカスタムカラーで知らせる。今後、お気に入りの連絡先からのメッセージ通知などにも対応を広げる予定だ。

初の紛失防止タグ「Google Pixel Tag」は11月発売

 Google初のトラッカータグ「Google Pixel Tag」も登場した。10億台を超えるAndroid端末で構成する「Find Hub」ネットワークを利用し、位置情報はエンドツーエンドで暗号化される。Bluetooth Channel Soundingに対応した超広帯域無線(UWB)技術により、距離と方向を視覚的に案内する高精度な探索が可能で、対応端末から最大50メートルの範囲で動作する。タグのボタンを押してスマートフォンを鳴らすこともできる。

「Pixel Tag」

 本体はステンレススチール製でIP67の防水・防塵性能を備え、電池は最長1年、自分で交換できる。最大10人まで共有可能だ。日本での価格は単品が5010円、4個セットが1万6940円で、11月に発売する。

「Pixel Buds」に9月に睡眠検知などの新機能追加へ

 「Pixel Buds Pro 2」に新色「Olive」が加わるほか、Pixel Budsシリーズにソフトウェアアップデートで機能を追加する。

 装着状態のわずかな変化を検知してノイズキャンセリングを自動調整するほか、Pixel Watchが睡眠を検知すると再生を一時停止し、タッチ操作をオフにして通知音をミュートする。

 リアルタイム翻訳も強化し、タップしてリスニングモードを起動すると、スマートフォンに触れずに70以上の言語をほぼリアルタイムで翻訳する。自分が話した内容はPixelスマートフォンが相手の言語に翻訳して再生する。ソフトウェアアップデートは9月から順次配信する。

Google Store表参道の紹介

 イベントの途中で日本のタレント、中条あやみの「Pixel fit check」動画が流れ、その後短くGoogle Store表参道が同日オープンすると紹介があった。

中条あやみさんは動画で登場

 Pixel 11シリーズ、Pixel Watch 5、Pixel Buds Pro 2の新色はいずれも既にオンラインで予約受付が始まっており、Google Store表参道などの店頭でも13日から予約を受け付ける。発売日は8月20日。

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