SpaceX、ウクライナ軍の「Starshield」に移動速度制限 マスク氏「決めるのは米軍と大統領」
ウクライナ大統領の国防技術顧問を務めるセルヒー・ベスクレストノフ氏は10月14日(現地時間)、米SpaceXが同日夜、移動中の「Starlink」端末に速度制限を導入したとFacebookで明らかにした。対象は、SpaceXが政府・軍向けに提供する軍事版Starlink「Starshield」の“軍事パッケージ”。端末が時速100マイル(約160km)を超えて移動すると、通信できなくなるという。
ベスクレストノフ氏は、ウクライナの防衛部隊はこの制限について事前に通知を受けておらず、複数の任務が中断されたと説明した。そのうえで「この措置が偶然であるはずはなく、現在の政治状況と関連しているのは明らかだ」と主張した。ただし、根拠は示していない。米国の報道によると、この制限はウクライナ軍のドローンや航空機、ヘリコプターの運用に影響したという。
ウクライナのミハイロ・フェドロフ前国防相は同日Xで、時速160kmまでのStarlinkの接続が復旧しつつあるとポストした。「Starshieldの速度制限を完全に撤廃することが、今やウクライナの防衛にとって極めて重要だ」と述べ、イーロン・マスク氏に謝意を示したうえで、継続的な」支援を求めた。ウクライナ国防省によると、時速約160kmの制限そのものは現在も残っている。
マスク氏はこのポストに返信し、「Starshieldのシステムは米政府が所有・管理している。速度や利用の制限は米軍、最終的には米大統領が決める」と書き込んだ。さらに、StarlinkはSpaceXが所有・管理する商用サービスであり、利用は民間または防衛目的に限られると説明した。攻撃的な軍事行動への利用は「民間企業として不適切」なため認めていないとしている。今回の制限を誰がどのような理由で決めたのかは、明らかになっていない。
マスク氏は2025年にトランプ政権の「政府効率化省」(DOGE)を率いた後、トランプ大統領と公然と対立した。その後は関係を修復し、10月8日にはトランプ大統領から国家科学賞を授与されている。米CNBCによると、マスク氏は7月以降、共和党系団体に2億7600万ドル以上を寄付しており、2026年中間選挙で判明している最大の献金者となっている。
SpaceXは、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の直後から同国にStarlink端末を提供してきた。同年10月には、マスク氏がウクライナへの無償支援を続けると表明していた。
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