Discord、公開サーバの会話をGoogle検索などの対象に プライバシーへの懸念も
米Discordは10月27日(現地時間)、チャットサービス「Discord」の一部の公開コミュニティで交わされた会話を、米Googleなどの検索エンジンから見つけられるようにすると発表した。11月16日から会話の自動要約を公開し、12月中旬からは投稿されたメッセージそのものも検索対象にする。プライバシーへの懸念に対応するため、ユーザーが自分の投稿を公開対象から除外できる設定も用意する。
Discordは、ゲームや趣味などをテーマにしたオンラインコミュニティで広く利用されているチャットサービス。ユーザーは「サーバー」と呼ばれるコミュニティに参加し、その中の「チャンネル」と呼ばれる話題別のスペースでテキストや音声による会話ができる。
今回の変更の対象となるのは、メンバー数1000人以上で、管理者が誰でも招待なしで参加できるよう設定した「Discoverable Server」(発見対象のサーバー)だ。現在、6万3000以上あるという。招待制のサーバーや、ユーザー同士のダイレクトメッセージ(DM)、グループDMは対象外だ。
Discordによると、ゲームの攻略方法や技術的な問題の解決策など、これまでDiscord内に埋もれていた情報を一般のWeb検索から見つけやすくすることが狙いという。
11月から会話の要約を公開、12月には投稿本文も
11月16日から、すべての発見対象のサーバーに一般公開の「サーバーウェブページ」が設けられる。このページではサーバーの概要に加え、公開チャンネルでの会話をAIで要約した「チャンネル要約」を掲載できる。要約の対象となるのは11月16日以降の会話だ。
12月中旬からは「チャンネルメッセージ」として、対象チャンネルに投稿されたメッセージの本文もWebページに表示され、Googleなどの検索結果から見つけられるようになる。投稿者のユーザー名やアバター画像は表示されない。12月中旬より前に投稿したメッセージは対象外となる。
いずれもサーバー管理者が公開対象のチャンネルを選択できるが、初期設定では公開チャンネルが対象となる。チャンネルごとに公開対象であることを示すアイコンも表示される。
プライバシーやAI学習への懸念
この変更については、会話が当初想定していなかった範囲に広まることへの懸念が出ている。米TechCrunchは、公開サーバーでの発言が必ずしもインターネット全体への公開を意図したものではないとの反発や、会話がAIモデルの学習に利用される可能性への懸念を伝えている。
特に、匿名性を保ちながら悩みを相談したり、身の安全を確保するためにオンラインコミュニティを利用したりしている人にとっては、検索対象が広がることがリスクにつながりかねない。ユーザー名が表示されなくても、発言内容や文脈から個人が特定される可能性があるためだ。
また、Googleなどの検索エンジンから会話の内容にアクセスできるようになれば、AIの学習データとして無断収集されるのではないかとの懸念もある
Discordは公式ヘルプで、ユーザーのメッセージをAI企業に販売することはないと説明している。ただし、これは公開されたコンテンツが外部のAI企業によって収集・利用されないことを保証するものではない。なお、会話の自動要約にはDiscord自身がAIを利用する。
公開を避けるには設定の変更が必要
ユーザーは「ユーザー設定」の「データ&プライバシー」にある「ウェブページに発見対象チャンネルからのメッセージコンテンツを表示」をオフにすることで、自分のメッセージがWebページに表示されるのを防げる。この設定は参加しているすべての発見対象のサーバーに適用される。
ただし、設定をオフにしても、それ以前にオンの状態で投稿したメッセージは公開対象のままとなる。公開を防いだり、既に公開されたメッセージを削除したりするには、Discord上で元の投稿を削除する必要がある。検索エンジン側に保存されたキャッシュや検索結果から消えるまでには、さらに時間がかかる場合がある。
また、この個人設定で制御できるのは投稿本文の公開だけで、会話の自動要約には適用されない。要約も含めて公開を避けたい場合は、サーバー管理者が「サーバー設定」→「コミュニティ」→「ウェブプレゼンス」で「チャンネル要約」と「チャンネルメッセージ」をそれぞれ無効にする必要がある。サーバー自体をWebから非公開にするには、発見対象のサーバーから招待制のコミュニティサーバーに戻す方法もある。
なお、EU、英国、カナダ、ブラジル、オーストラリア、韓国では法的制約からメッセージのWeb公開が初期設定でオフになっているが、日本を含むその他の地域では初期設定でオンとなる。10代のユーザーのメッセージは対象外だ。
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