「インターネットマシン化する世界を切り開く」 孫社長、「ソフトバンクは攻めの一辺倒」
「携帯参入を決意した当時、2008年ごろに携帯がインターネットマシン化するだろうと感じていた」──ソフトバンクモバイルが10月30日発表した冬モデルでは、「Touch」をキーワードに、シャープ製ハイエンド端末など合計4機種のタッチパネル対応端末が登場した。孫正義社長は「PCよりインターネットが使いやすい」と、iPhoneに続くタッチパネル携帯とネットの親和性を強調。「ニコニコ動画」など、今一番ホットなネット企業と連携し、携帯の「インターネットマシン」化を加速させる。
発表したタッチパネル携帯は、シャープのハイエンド端末「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」、韓国Samsung Electronics製の「930SC OMNIA」、台湾HTC製「Touch Diamond X04HT」「Touch Pro X05HT」──の4機種。
「いずれ必ずPCから携帯へネットの中心が移るだろうと確信していた」。孫社長はiPhoneを使い始めてから、PCでネットを使う時間は10分の1に減ったが、ネットを使う時間の合計は3倍に増えたという。「忙しくて、まとまった時間、PCの前に座るわけにはいかなかったが、今は朝起きてiPhone、会社でiPhone、トイレに行く途中でiPhone」という生活で、仕事のメールもiPhoneで受け取っている。
「日本の携帯ユーザーは世界で最もメールを使うユーザーだが、ほとんどはプライベートなメール。Blackberryなどを使う欧米ではビジネスで使っており、その意味では日本は完全に後進国だ」
孫社長が携帯参入時に予想した「2008年・インターネットマシン元年」を実現するための条件は(1)インターネットマシンとして十分な能力を持つCPU、(2)高速通信、(3)十分な画面サイズの3つ。これにタッチパネルが加わり、インターネットマシン化を加速させる。
「PCはマウスを使ってポインタを遠隔操作する必要がある。フルタッチパネルなら操作性に優れ、ネットもむしろ小さな端末のほうが使いやすい。PCより便利な状況になってきている」
オープン化で普及を図る「モバイルウィジェット」
インターネットマシン化をさらに進める新機能が「モバイルウィジェット」だ。PCでは既におなじみのウィジェットを携帯で利用できるようにするもので、孫社長は「他社よりはるかに本格的で高機能なウィジェットがソフトバンクケータイにやってきた」と自信を見せる。
天気予報やニュースなど、用意された各種のウィジェットを待ち受け画面上に配置しておけば、欲しい情報に素早くアクセスできるようになる。対応端末第1弾である「931SH」では、複数のウィジェットを置いて手軽な情報ポータルとして活用し、必要に応じてウィジェットにタッチして詳細情報を入手──といった、大画面とタッチパネルを生かした使い方ができる。
これに合わせ、「モバゲータウン」のディー・エヌ・エー(DeNA)、「ニコニコ動画」のドワンゴ、マイスペース、ミクシィ、ヤフーの5社と携帯ネットサービスでの相互連携を発表。各社サービスのプロモーションや新ビジネスモデル構築などで協力していく予定で、第1弾として931SHの待ち受け画面に、モバゲーやmixiなどに簡単にアクセスできる専用ウィジェットをプリセットする(「ニコ動」がソフトバンクに対応 専用ウィジェット、iPhoneアプリも開発中)。
同時オープンする「ウィジェットストア」から追加ウィジェットをダウンロードすることも可能だ。仕様や開発ツールなどの開発環境はオープンにし、開発者の参入を促し、ディヴィデュアルのネットサービス「リグレト」などのウィジェットがストアで公開される予定だ。PCインターネットの世界と同様のオープン戦略を積極化し、モバイルでもウィジェット文化を盛り上げていく。
ウィジェットはChina MobileとVodafoneと設立した合弁会社「Joint Innovation Lab」を通じ、世界展開も計画している。孫社長は「ウィジェットはまだ耳慣れない言葉かもしれないが、今後は携帯インターネットを語る上で一番重要な言葉・機能になっていく」と意気込む。
「携帯は通話とメール中心に使われていたが、PCとネットの世界で育ったソフトバンクには全く違う世界のように思った」という孫社長。ニコニコ動画のニワンゴなど、「日本を代表する主要なインターネットカンパニー」とそろって協力することで、「ネットはソフトバンク」というイメージを印象づける狙いもありそうだ。
「インターネットマシン化する世界を一緒に切り開いていきたい」と期待する孫社長に対し、DeNAの南場智子社長も「モバイルインターネットのオープン化には大いに賛同する。公式・非公式のへだてなく、モバイルインターネットがオープン化していくのを期待する」と応じていた。
ソフトバンクは攻め一辺倒
前日の決算発表会では「投資家の不安」への説明に追われた孫社長だが、この日の冬モデル発表会では「ソフトバンクは攻め一辺倒。新たな端末、新サービスでワクワク感を広めていく」と端末販売台数の減少への懸念に対し、強気な姿勢を見せた。
06年10月にスタートしたスーパーボーナスの2年割賦が終了する契約者も出てくるが、「スーパーボーナス終了を機に他キャリアに乗り換えようという兆候はない」という。むしろ「今後は機種変更も伸びてくるのでは」とプラス効果を期待していた。
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