ほんとに安心?「PC無料回収」お願いしてみた 1台からOK、家電やAV機器もおまかせ

「PC無料回収」はPCだけじゃなかった! プリンタ、デジカメ、電子レンジにエレキギターまで……大掃除や引っ越しの強い味方、編集部が試してみた。

» 2014年02月28日 10時00分 公開
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 年末に大掃除をしていたら、部屋の隅に昔のPCを何台か発見した。PCを乗り換える度に大事なデータは移すものの、「いや、あとからあれもこれも必要になるかも」と迷ってしまって捨てられない。不安だからちょっとだけ置いておこう、処分は今度にしよう……とひっそり置いておくと、案の定、特に再起動することもなくほこりをかぶっていく。いい加減、何度目の正直かわからないけどなんとかしたい。いや、しなくては。この旧世代の分厚いノートPC、ここに置いていても漬け物石にもならない。

photo もう使わないPC、みなさんのお宅やオフィスにもあるのでは

 「もう使わないPCとプリンタ、処分しよう!」と決意したところで、いらなくなったPCや家電を粗大ごみとして捨てるには当然お金がかかる。2003年に施行された「資源有効利用促進法」(PCリサイクル法)では製品分類に応じて3000〜7000円の処分費が必要だ。その他、各自治体への申し込みや指定の場所に運ぶ手間など細かいコストもじわじわと面倒だ。

 その点、専門業者なら全て一任できるので楽だ。アールキューブの運営する「パソコン回収.com」は処分費は無料。動かないものや破損したものでも原則引き取ってくれる、土日・祝日や平日の夕方なども対応可能、家まで回収に来てくれる、などメリットも多い。昨年、回収されたPCの“その後”を追い、無料で回収できる理由やデータ消去のプロセスを見てきたのだった。いい機会だ、実際に試してみたい。

photo 社内からこんなに集まった

 というわけで、アールキューブの運営する「パソコン回収.com」に我がアイティメディアに出張回収に来てもらうことにした。せっかくならたくさん集めよう――と、社内に「あなたの部屋のいらないPC、無料で引き取ります!」とアナウンスして回ったところ、あちこちから反応が。うんうん、やっぱり「処分したいけど、どうしよう」という中古品が家の片隅に転がっている人は多そうだ。総務部にも相談し、社内で廃棄予定だった機器もゲットした。壊れたスピーカー、年季を感じる大きくて重いノートPC、汚れたキーボード、などに囲まれて回収隊を出迎える準備は万端だ。

回収品目は「ほぼすべての電子機器」

 回収当日はバレンタインデー、雪が降りしきる金曜日。トラック、平気なんだろうか……と不安になる中、「0円」の背番号の入ったユニフォームに身を包んだ田頭清営業部長とエーススタッフの阿久津さんの2人がさっそうとあらわれた。

photo パソコン回収.comを統括する田頭清営業部長(右)とスタッフの阿久津さん。今日はよろしくお願いします

紹介記事やレビューの対象となった各種製品、社内のデスクで使われていたデスクトップPCやモニタ、個人宅から運れてきたノートPCなど、雑多に置かれた品々を早速手際よく分類していく。

 PCだけでなく、家電や電子機器の回収もOK。サイトに掲載されている回収品目には「ノートPC」「デスクトップPC」「液晶ディスプレイ」のほか、「ハイスペックゲーム機」「エレキギター」が明記されている。どれも電源が入らなくても大丈夫。ほこりだらけでも、ケーブルが見つからなくても、弦が切れていても、快く応じてくれる。電子楽器はギター以外も受け付けており、アンプやエフェクターなどの関連機器も同時に引き取り可能という。

 「えっ、そうなんですか。私の部屋にある電子ピアノ、もう物置と化してるんですけど」「ぜひ、うかがいます」「1人じゃ運べないくらい大きいですよ」「きちんとスタッフ連れていきますね」「……そもそも荷物に埋もれてて引っ張り出せないかもしれません」「……そこは、ちょっとどうしようもないのでキレイにしてからお願いします」――そんな話をしながら田頭さんの手元は動き続ける。

photo 新旧ロゴのThinkPadが並んだ!
photo 編集部員の家からは「Power Mac」がやってきた

 パソコンや楽器が1点でもあれば、あわせて回収可能な商品の幅は一気に広がる。「プリンタ・スキャナ」「デジタルカメラ」などPC周辺機器、「ビデオデッキ・DVDプレイヤー」「オーディオ機器全般」などAV周りに加え、「携帯電話」「タブレット」、「電話・FAX」「ミシン」「ワープロ」なども回収品目内だ。「炊飯器」「電子レンジ」など調理家電までオッケーらしい。見た目以上に大きくて重い家電は運ぶだけで一苦労。回収に来てもらえるなら、費用面だけでなく手間もかけずに部屋を片付けられる。女性や単身者でも簡単だ。

 しかし、こんなに何でも引き受けてくれるなんて、営業部長、懐が広すぎる。こうなったら「それはちょっと」と田頭さんを困らせてみたい。「ミシンは?」「お引き取りさせていただきます」「扇風機は?」「大丈夫です、羽がないタイプでも」「ストーブは?」「灯油は抜いて空にしてくださいね」「掃除機は?」「結構お願いされること多いですよ」「う、うーん……あ、CDコンポは?」「使う機会減ってますもんね」「MDウォークマンは?」「もちろん」「……カセットやCDやMD本体は?」「承ります」。

photo 携帯電話やMDもOK

 ――な、なんとあの小さなディスクまでオッケーなんですか。我が家のMDコンポは壊れていてもう再生できないのだが、曲順を吟味したり夜中にラジオを録音したりした青春の日々が詰まった何十枚何百枚にもなるカラフルなMDは捨てるに捨てられないまま積んであるのだった。捨てるのも忍びないのでもういっそ一息にお預けしたい……。

 「断ることの方が少ない」(田頭部長)というほど数多くの品目を受け付けており、電子機器ならほとんど、と胸を張る。ただし、洗濯機や冷蔵庫、ブラウン管のテレビ(液晶テレビは除外)、エアコンなどの黒物家電類や、医療用機器は処分に関わる法律が異なるため回収不可だ。

安心を高めるための証明書

 PC処分の際、心配なポイントが個人情報の取り扱い。ビジネスシーンはもちろん、プライベートで使用していたものでも、ユーザー自身や知人友人のプライベートな情報が満載。万が一、写真や住所などが流出したら大変だ。

 工場でのデータ消去作業の抜けや確認ミス、紛失などを防ぐため、回収時点で一度本体を開き、製品本体と機器内のHDDをバーコードシールを貼ってひも付けている。機器によっては内部に2枚のHDDが使用されていることもあり、単にソフトで消去するだけでなく、実際に解体し目視することは非常に重要だという。

photo 回収品のその後を確認できる「データ消去証明書」「リサイクル証明書」

 より安心して預けてもらうために、希望者には「データ消去証明書」「リサイクル証明書」を有料で発行している。消去に使用したソフトや処理方法を、作業日や対象製品の一覧と共に記載した結果や、どの商品がリユースやリサイクルに回されたかを分類して郵送で報告する。あわせて、法人向けには回収時に目の前でHDDの破砕処理をする有料オプションサービス(1台500円〜、別途出張料金1万円〜)も設けている。

可能な限り訪問で信頼を

 会社内で使われていたPCなど、再度市場に出回ると困るものは「リユース不可」として回収を頼むこともできる。今回は法人・個人で回収元が分かれていたので、製品ごとに分けて対応してもらった。直接対面することで細かい点も相談でき、コミュニケーションがスムーズに進むのも出張回収の利点の1つだ。

 首都圏(東京・神奈川東部・埼玉南部)であれば、個人・法人問わずPC1台から無料で出張回収に応じている。可能な限りユーザーのもとに直接引き取りに行くことで「ユーザーの疑問や不安を直接解消したい」という。個人の場合、回収圏外であれば送料無料・処分費無料の宅配回収を受け付けており、対象品目に関してなどは電話で相談できる。

photo 最後に回収品目を1つずつ確認してサイン

 雑多に積まれていた大小さまざまな機器は手早く製品ごとに分けられ、HDDが引き出され、バーコードが貼られ、再度梱包され、いつのまにか台車に。あっというまに終わってしまった。爽やかな笑顔がまぶしい阿久津さんは、トラックを乗り回して関東中、時には地方まで回収に駆け回るらしい。土日は毎週10件程度足を運び、これまで一番多い日は1日で21件の回収に赴いた経験もあるという。

 「実際にお宅にうかがうと『こんなのも回収してもらっていいんですか?』と言われることもあるのですが、これも大丈夫かな? というものはその場で聞いてもらえれば。大きな物、重い物でも構いません」(阿久津さん)

 かくして、編集部員のデスクや自宅はスッキリきれいに。あれもこれも引っ張り出してきてただただお任せするだけ、簡単・安心だった。証明書によると、PCや携帯電話の一部はリユースに分類されたようで「数年間使ってきたあの子たちはこれからどこへ……」となぜか妙にセンチメンタルな気持ちになった。こうやって、ゴミではなく資源として再利用されるのもちょっとうれしい。

photo 回収当日は銀世界
photo な、なんかかっこいい……

 3月の引っ越しシーズンは、PCよりも家電を多く回収するケースも多いそう。大掃除で発掘されたけど見てみぬふりをしてきたPC、引っ越しを機に処分したい家電、などなど、年度末を機に処分してみては。

photo 雪降る東京の闇に消えていく回収トラック。ありがとうございました

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提供:株式会社アールキューブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2014年3月27日

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