新品より高品質な“中古機器”を生み出す「東京テクノセンター」に潜入! IT機器の利用を延伸「第三者保守」を支える拠点とノウハウ

メーカーの保守サポート期間を超えて、サーバやネットワーク機器のインフラを延伸保守する「第三者保守」。中古機器のイメージを脱却し“新品以上”の品質に高めるための技術開発の現場のこだわりは――数少ない国内事業者データライブの中枢「東京テクノセンター」の潜入レポート。

» 2016年02月08日 10時00分 公開
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 企業のIT部門にとって、サーバやストレージ、ネットワーク機器といったハードウェアの販売終了、保守サポート終了(EOL/EOSL)は死活問題だ。たとえ正常稼働しているハードウェアであっても、メーカーの保守サポートが打ち切りとなれば、万が一の際に迅速な復旧は望めず、使い続けるのは難しい。しかもメーカーの保守切れは、数年単位で継続的に起こるため、その都度、買い替えを迫られる企業がほとんどだ。

 こうした実情に対し、欧米では正規の保守期間後もメーカーに代わって保守を行う「第三者保守」が広く普及している。「せっかく安定稼働しているのに」「まだ十分使えるはずなのにもったいない」といった現場の潜在的ニーズを見据え、豊富なスペアパーツを用意し、低コストでシステムを“延伸保守”する。

photo 徹底した検査で“新品より高品質な中古再生機器”を生み出す

 国内で「第三者保守」を手掛ける数少ない独立系事業者の1つ、データライブは、(1)交換用にハードウェアの部品を配送するパーツ保守、(2)エンジニアが訪問修理するオンサイト保守、(3)オンサイトスポット修理――といったサービスを主に展開している。中古品を世界中から買い集め、分解・検査し、使えるパーツを選別して保守サービスに利用する仕組みを整え、「新品よりも安心できる“代わり”を」を掲げる。事実、同社が手掛けるHDDは、新品製品の初期不良率よりも低い故障率を実現している。

 とはいえ、「本当に直せるのか」「どのように部品が検査されているのか」「きちんと部品を調達できるのか」と疑問に思う読者もいるかもしれない。同社の技術とノウハウの中枢である「東京テクノセンター」を訪ね、高品質なサービスを担保できる秘密を探っていく。

技術の粋「東京テクノセンター」

photo 山田和人社長

 東京・荒川区に2015年4月に誕生した「東京テクノセンター」は、技術開発、品質管理、保守統括、物流を一手に担う、同社の心臓部分だ。世界中から入荷するサーバ、ストレージ、ネットワーク機器などの中古品は月間約1万台に上る。これをパーツごとに分解・仕分けし、動作チェックした後、保守サービス用のパーツ、スペアパーツとして保管している。

 山田和人社長は、東京テクノセンターを開設するにあたって「“中古品”のイメージからの脱却」を強く意識したという。一般に「中古品」というと「新品より品質が劣る」とイメージしがちだ。しかし、保守の視点からすると、新品・中古品は関係なく、本番環境に投入されても安定して稼働するかが重要になる。

 「『中古品だから検査程度はこれくらいで構わない』といった生半可な考えではなく、『保守部品』に耐えうる品質の製品をそろえる――そんな意識改革が必要と感じた」(山田社長)という。

 データライブが培ってきた品質管理の粋を余すことなく見せ、顧客に安心感を持ってもらうため、東京テクノセンターでは施設の見学を随時受け付けている。開設から10カ月経つが、月に5〜6組ほどの訪問があり、遠方から足を運ぶケースもあるという。品質に絶対の自信があるからこそできること――と胸を張る。

“中古品”のイメージを壊す

 それでは早速、施設内を見ていこう。

 1階の入荷スペースでは、ほこりまみれのものから未開封の新品まで、集められた品々が並んでいる。メーカー別にHDD、メモリ、CPUなど各種パーツに仕分け。それぞれに専用の個体IDが付与され、検品するエリアに送られる。

photo 1階の入荷スペース。月間約1万台の中古品が入荷されている。
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photo 個体IDを付与し、検品エリアに送られる。

 検品エリアでは、同社開発の検品ツール「R2-D2」によって、通電確認、CPUクロック周波数、メモリ容量、ハードウェア構成――などをチェックする。1台あたり6〜10分のペースで、月間最大1,500台が検査されるという。HDD内のデータを全消去するほか、エラーの出たパーツはその場で物理的に破壊し、金属部品としてリサイクルされる仕組みだ。

photo 検品を待つパーツが所狭しと並べられている。
photo 検品ツール「R2-D2」を使って、1台ずつ検査していく。

 検品が終わったパーツは、主要メーカーや種類ごとに収納棚にロケーション管理されている。「どの棚番号の箇所に、どの製品があるか」は、個体IDとひも付けて、基幹システム「D2」で一元管理している。図書館で目的の本を探すようなイメージで、ピッキング作業が容易になるという。

 サーバなどは一部をパーツ単位に分解して保管し、省スペース化を図る。毎月すべての在庫の棚卸しも行い、不動在庫・保管状態のチェックも欠かさない。限られた倉庫のスペースの中で、ユーザーが求める製品をいかに確保し、品切れを起こさないようにするか、工夫を凝らす。

photo 検品を終えた部品は、メーカーや種類ごとに収納される。
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 検品を終えた在庫品は、さらに精密検査を受け、アセンブリ(組み立て)される。もともと半導体のプリント基板の製造工場だった建物を活用し、電源設備を充実させたほか、床には静電気対策を施し、空調環境も整えている。

photo アセンブリエリアでは、各セルごとに作業員が組み立て、クリーニングなどを行う。
photo テクニカルサービス部 下元孝介部長

 製品化エリアは、10箇所のセルに区切られ、各スペースで作業員がアセンブリ、クリーニング、検査までを一貫して担う。構成確認、外観確認、初期化、パーツ組み込みなど約40項目の診断項目を定め、製品化担当者、チェック担当、梱包担当によるトリプルチェックで最終確認。テクニカルサービス部の下元孝介部長は「中古品は実際に動かしながら、何度も検査しないと意味がない。センター内に数世代分の主要なサーバも用意し、本番に近い環境ですぐにチェックできる環境を整えている」と説明する。

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photo クリーニング用のエアースプレーも1人につき1台用意する
photo 40項目の診断項目が並ぶ製品化確認票

徹底した品質管理――新品を下回る不良品率を実現

 精密検査のなかでも、特に注力しているのがHDDの品質向上だ。故障の要因になることが多く、顧客のニーズも最も高いのがHDD。メーカーの製造工場や研究施設が使用するハイエンドなHDD検査システム「YEC HDD Multiport Test System」を導入し、出荷直前に再度、性能をチェックしている。抜き取り検査ではなく、1つずつ全数チェックを重ね、各モデルごとに最適なパラメータ設定を行う徹底ぶり。故障率は約0.3%と、メーカー出荷時の不良率を下回る品質で提供できているという。

photo YEC HDD Multiport Test System
photo 出荷直前に1台ずつ全数チェックを行う。
photo 正常な場合は「Running」、故障している場合は「ERROR」と表示される。

 エラーが見つかったHDDの検査結果はログとして保存。個体IDを参照し、同モデル・別個体の故障時に、原因を探る手掛かりとして活用するなど、ノウハウの蓄積で品質改善につなげている。「多くのユーザーは『中古品のHDDは怖い』との認識があるのでは。いかに高品質かを理解してもらうために、日々の積み重ねは欠かせない」(下元部長)。

photo 商品管理部 齋藤学部長

 顧客のデータを含めて機器を預かることもあり、セキュリティ対策も重要となる。HDDデータ消去などを行う区域の入り口にはカードキーを導入し、限られた作業員だけが立ち入りできるようになっている。商品管理部の齋藤学部長は、ユーザーから尋ねられるポイントとして「中古品を仕入れる時、どこから流れていて、どのように検査・管理をしているか」を挙げ、トレーサビリティの確保に努めていると話す。

 HDDとともに力を入れるのがRAIDバッテリーの再生だ。携帯電話と同様、サーバやネットワーク機器のバッテリーも年月とともに確実に消耗・摩耗するもの。安価な海外製RAIDバッテリーを検証したところ、長期間の利用が難しく、電圧も低いという問題が判明したため、データライブでは国内対応を決意。品質を大切にする国内専門企業と協業し、消耗劣化する電池セル部分を交換した製品を調達できる体制を整えたという。。

photo RAIDバッテリーの再生にも注力する。
photo エンジニアのトレーニング研修風景。チーム全体で最新技術をキャッチアップ

 常に最新の技術にキャッチアップするため、精密検査やアセンブリを担当するエンジニアに加え、メーカーの最前線で開発を担った経験などを持つスペシャリストも在籍。通常のトラブルシューティングでは対処できない複雑なトラブルに対応するほか、作業員用のトレーニング教材を作成するなど、技術開発や指導にも力を入れている。

ノウハウを生かして未来を予測

photo 業務本部 阿部英明本部長

 全社で入庫から在庫管理、検査、出荷まで一貫して行う上で、顧客情報、保守部品の在庫状況、生産管理、入出庫管理、調達管理と保守サービスに必要な情報を一元管理し、部署を横断して導線の最適化を支えるのが基幹システム「D2」だ。「D2は、第三者保守特有の業務をフォローするために、自社開発した基幹システム。サービスの進化に伴い、スピーディーにシステムの改善ができることも強みです」と業務本部の阿部英明本部長はいう。

photo 基幹システム「D2」の画面。個体IDや顧客名などを一元管理する。
photo メンテナンス部 新居弘司部長

 過去の故障率、現在の契約数などの管理情報に基づき、保有すべき在庫数も算出。メンテナンス部の新居弘司部長が「メーカーの保守切れや国内シェア、運用現場の状況などを見ながら、将来的にニーズが高まるであろうパーツを事前に予測し、先行して部品を集めている」と話すように、蓄積されたノウハウは未来につながる大切な資産だ。

技術・情報・流通の結びつきこそ「マネできない強み」

 東京テクノセンターの大きな強みは、技術開発と流通管理が強固に結びついていること。常に新しい問題に対処し続けるために、保守はもちろん、スポット修理やパーツ単体の販売履歴も含めた顧客や部品単位のデータを集積して業務フローに還元しており、これこそが「一朝一夕には築けない基盤」と山田社長は語る。

 「まだユーザーの皆さんのなかには、『中古屋じゃないの?』というフィルターがかかっている方もいると思う。知ってもらうこと、見てもらうことで“最初の壁”を越えてもらえれば」(山田社長)

随時見学受け付け中!

データライブ「東京テクノセンター」は随時見学を受け付け中。

実際に施設内を回り、品質を支える現場を見て、聞いて、知ることができます。

お問い合わせ・お申し込みはこちらから。

photo 東京テクノセンター前で、山田社長


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提供:データライブ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ニュース編集部/掲載内容有効期限:2016年3月7日

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