さよなら満員電車、「テレワーク」の課題解決に挑むe-Janネットワークス

» 2019年09月04日 10時00分 公開
[房野麻子PR/ITmedia]
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 世界中の観光客が東京に集まる一大スポーツイベントを1年後に控え、企業や官公庁の注目を集めている「テレワーク」。テレワークでは何ができて、どんなメリットがあるのか。今回は、テレワークの可能性にいち早く着目し、10年以上前からテレワークプラットフォーム「CACHATTO(カチャット)」を提供しているe-Jan(いいじゃん)ネットワークスの坂本史郎社長に話を聞いた。

e-Janネットワークスの坂本史郎社長

 テレワークとは、ICT(情報通信技術)を使って会社の外で仕事をすること。時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができるため、「働き方改革」の文脈で語られることも多い。育児や介護のために自宅で仕事をする「在宅勤務」の他、外出先で仕事をする「モバイルワーク」、外部の施設を利用する「サテライトオフィス勤務」という3つに分類されている。

 とくに在宅勤務は通勤ラッシュの満員電車に乗る必要がないため、公共交通機関の混雑緩和という点でも注目されている。来年に向け、テレワーク導入に補助金や優遇制度を設けた省庁、自治体も多い。しかし欧米に比べると日本ではテレワークの導入が遅れている。その理由について坂本氏は、「テレワークの普及を阻んでいる要因が3つある」と指摘した。

テレワークの普及を阻む3つの要因

 第一の要因は「サボり」に対する懸念だ。社員本人の心構えの問題もさることながら、上司が「あいつは仕事をしていないのではないか」と疑うことは十分に考えられる。逆に「ちゃんとやっているのにサボっていると思われているのでは」と不安になる社員もいる。

 坂本氏によると、欧米でテレワークが進んだのは、成果主義が浸透していることと、会社側が社員を解雇しやすいという背景があるという。日本の場合、法律や組合で労働者が守られているため、サボったからといって簡単に解雇はできない。「サボりを懸念してテレワークの導入が進んでいないのが、多くの企業の実態だと思います」(坂本氏)

 第二の要因は「セキュリティに対する不安」だ。テレワークで仕事をすると、普段は社内にあるデータを外部に出すことになる。

 第三の要因は「設備」。例えば工場や病院など、設備がなければ仕事にならない職種もある。ペーパーレス化が進んでおらず、紙ベースでの業務をしている職種もテレワークに課題を抱えている。坂本氏によると「現場に出向かずとも、ITでカバーできる方法を探求するのが課題ですね」という。

家族共用のPCでも問題なし 「突発テレワーク」とは?

 CACHATTOは、社外のPC、タブレット、スマートフォン、従来型の携帯電話から、クラウド型グループウェアや社内メール、スケジュール、ファイルサーバなどの業務リソースに安全にアクセスできるようにするサービスだ。2003年に携帯電話(いわゆるガラケー)向けにサービスの提供を開始し、iPhoneやiPadが登場すると迅速に対応したことで注目を集めた。これまでに大企業や官公庁を含む延べ1100社・51万ユーザー(2019年7月までの実績)が利用している。

 テレワークの普及を阻害する三つの要因のうち、「サボり」と「セキュリティ」については「CACHATTOが解決方法を提供できる」と坂本氏は話す。

 CACHATTOで特に評価されているのがセキュリティの高さだ。IDとパスワードに加え、認証された端末からでなければアクセスできない二要素認証、リモート作業の終了後に閲覧した情報を端末に残さないセキュアブラウザ「CACHATTO SecureBrowser」、PC内に仮想領域を設けてその中でデータの閲覧や編集が可能な「CACHATTO Desktop」など、最近ニュースで話題になったような機能を早くから提供している。

「CACHATTO Desktop」はPC内に仮想領域を設け、その中でデータの閲覧や編集を可能にするセキュアな作業環境

 CACHATTOは、IDとパスワードに加え、認証された端末があって初めて社内リソースにアクセスできる。自宅にある個人所有のPCを認証端末とするケースはまれだが、いざという時にPCがなければ仕事は始まらない。そこでe-Janネットワークスは、「認証済みのスマートフォンで個人のPCを認証する」ことでアクセス権限を付与する機能を今秋発売予定の次期バージョンに盛り込む。「認証されているスマホでPCのアプリケーションに表示される二次元コードを読み込むと、PCにスマートフォンのIDが乗り移るようにPCが自動認証されます」(坂本氏)。

 この機能はテレワークの切り札になるかもしれない。台風や雪で電車が動かないなど、突発的にテレワークが必要になることは多い。そんなとき、自宅のPCでも安全に仕事ができる環境ができれば無理をして出社する必要がない。時間とコストの無駄を省き、社員の安全も確保できるだろう。同社はこれを「突発テレワーク」と呼び、そのためのサービスを提供している。

 「CACHATTOは、iPhone、Androidスマホ、タブレット、Windows、Macと全方位で使えるようにしています。スマートフォンが認証されていれば、そのスマートフォンをキーにして自宅のPCを認証し、CACHATTOのプログラムをダウンロードして仕事を続けられるのです」(坂本氏)

 CACHATTOでは、今後テレワークを常用する社員に加え、すぐに使う必要のない人たちを含めて全社員を登録できるライセンス体系も提供予定だ。平時のランニングコストを抑えながら、「突発テレワークが必要になったときに緊急利用できる」(坂本氏)という仕組み。災害時のBCP(事業継続計画)対策としても有効に活用できそうだ。

作業時間を把握し、見える化する

 サボり問題に対しては、CACHATTOの労務管理機能の拡充によって、利用者の利用時間をより正確に記録するようになる。CACHATTOにはもともと、一定時間操作がなかったらログアウトする機能があり、それを応用したものだ。

 また、利用者のプライバシーに配慮しつつ、より具体的な作業時間を把握する機能も検討中。「例えばタイピングしている時間の記録を取ります。そうすれば、少なくともキーボードで何かを入力していたことは把握できます」(坂本氏)。

 サボり防止を重視するならPCやスマホのカメラを使うことも考えられるが、CACHATTOの労務管理機能はそこまで厳密にはしない。それは坂本氏自身が作業時間で社員の仕事ぶりを評価することに反対だからだ。「給与はその人が仕事で提供した価値に対して支払うもの、という考えです。アイデアはシャワーを浴びているときとか、仕事をしていないときに沸いてくることもあります。そういう意味では24時間働いているのと同じ。拘束時間の対価ではありません」(坂本氏)。

孤立感をなくす“日報SNS”

 e-Janネットワークスは、自社を「テレワークの実験場」として捉え、率先してテレワークを推進してきたが、その中で課題として見えてきたものがあったという。それはテレワークを利用する社員の「孤立感」。「テレワークだけで働いていると、会社の人たちとのコミュニケーションが減り、孤立感を覚えるようになります」(坂本氏)。世界から切り離され、自分1人で奮闘しているような感覚になることもあるという。

 そこで目を付けたのが「日報」だった。e-Janネットワークスでは、全社員がメールで日報を書き、坂本氏がすべて返信する制度を2004年に始めた。「日報を書いても誰からも反応がないとモチベーションを保てませんから、必ず僕が返信していたんです」(坂本氏)。坂本氏は毎日、始発電車で出社して日報に目を通していたため、この日報制度を「朝メール」と呼ぶようになった。坂本氏が寄稿している「ITmedia オルタナティブブログ」では、ブログタイトルにもなっている。

 現在、日報はメールではなく、社内で開発したWebシステム「CrossCom」(クロスコム)に移行。社員全員がお互いにコメントできるようになった。「そこから議論が深まることもあります。『日報SNS』みたいなものですね」(坂本氏)。

「CrossCom」の画面。社員全員がお互いにコメントできる

 あくまで日報なので、CrossComにはテンプレートや仕事で使う定型文などが充実しているが、同時にSNSのようなスタンプなども用意している。また、「Good News/Appreciation Message(感謝のメッセージ)」という毎日必ず記入する項目があり、ここには仕事とは関係のない身の回りの出来事や趣味の話題も。例えばインドの現地法人や高知のテクニカルセンターに在籍している、会ったことのない社員とも、誰もがCrossComを通じて気軽にコミュニケーションしているという。

 「テレワークを実践している社員にも非常に良い影響を与えています。社員間のつながり意識というのでしょうか、それがあるとないとで仕事の質が全然違います。孤独感も和らぐようです」(坂本氏)

 e-Janネットワークスは、CrossComのサービス提供を計画している。テレワークを実践している企業だからこそ提供できるコミュニケーションツールになりそうだ。

CACHATTOの新しい技術でテレワークの問題を解決!

 実は坂本氏、混雑を嫌って始発で出社するほど通勤ラッシュが苦手だという。「テレワークを普及させたらラッシュアワーが減るかもしれない」という考えでCACHATTOに取り組んでいる面もあるという。

 かなりのガジェット好きでもある。最新のスマートフォンやタブレット、ロボット掃除機などを何台も保有していて、それを仕事に生かしてきた。「携帯電話をビジネスで使えるようにしたことをはじめ、誰もが便利だと思うものを提案してきました。デバイスの新しい使い方を市場に提案して、それを認めてもらえた」(坂本氏)。

 常に新しいものに目を向けているe-Janネットワークス。これからも新しいサービスを開発して、テレワークのさまざまな問題を解決してくれるに違いない。

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