紺碧の海を宝石に──「オシアナス」が24面のファセットカットを施したサファイアガラスベゼルで目指す新たな表現

カシオが10月に発売する「OCEANUS Manta」の新製品「OCW-S6000」は、24面のファセットカット(ファセット=切子面)を施したサファイアガラスをベゼルに用いた、まるで宝石のような腕時計だ。

» 2021年09月30日 10時00分 公開
[本田雅一PR/ITmedia]
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 手にすると、まるで宝石箱を開けた時のようなキラキラとした輝きに目を奪われた。紺碧の海を想起させる鮮やかな「オシアナスブルー」に複雑な光のゆらめきと深みが伴い、眺める角度によって様々な表情を見せる。

 カシオ計算機が10月に発売する「OCEANUS Manta」(オシアナス マンタ)の新製品「OCW-S6000」は、透明感のあるブルーに着色したサファイアガラスをベゼル(腕時計の上面外装)に用いた、まるで宝石のような腕時計だ。宝石といっても派手ではない。深みのある配色と質感は大人っぽさを感じさせる。

「OCW-S6000」のブラック。価格は30万8000円(税込)。今までのモデルより少し高級なイメージだ

 オシアナスはG-SHOCKで「質実剛健」なブランドイメージを確立させたカシオが、2004年にビジネスパーソン向けに立ち上げたウォッチブランドだ。「Elegance, Technology」(エレガンス、テクノロジー)をコンセプトに掲げ、得意のソーラー電波腕時計をフルメタルケースに詰め込んだ。機能的な腕時計と高級ビジネスウォッチの両立を目指したのだ。

 以来、高機能はそのままにエレガントな造形にこだわり続け、18年が経過した今は純粋にデザインや質感で勝負できるブランドに成長した。中でもマンタはオシアナスの最上位ラインであり、OCW-S6000は1つの到達点といえそうなほど洗練されている。じっくり見ていこう。

シルバーは27万5000円(税込)

紺碧の海が自分の腕に

 ベゼルには3.1mmと従来の倍の厚みがあるサファイアガラスを使った。それに24面のファセットカット(ファセット=切子面)を施して立体的な多角形状としている。

 さらにベゼルの裏面に蒸着処理を繰り返してブルーブラックのグラデーションを作り、どこから見ても美しい藍色が楽しめる造形に仕上げた。“紺碧の海”とはこういう色なんだろう。

 しかしサファイアガラスをベゼルにするとは大胆だ。外周まで露出したガラスは美しい反面、破損の危険性を伴う。万が一、落としてしまった時に割れたり欠けたりする心配はないのだろうか。

 カシオによると、やはりサファイアガラスのベゼルは製品開発時に大きな課題になったという。開発担当者は「カシオの品質基準を満たすため、割れにくいベゼルの厚みを研究しました。ファセットカットでは試作と落下テストを繰り返し、割れにくい斜面の角度を見つけました」と話す。高い技術力を持つサファイア加工メーカーと協力し、24面の交点がずれないよう留意しながら加工するという。

 ベゼル上面の外周にはワールドタイム機能を示す都市コードを刻印した。これもオシアナスでは初の試み。これにより時計単体でも時刻修正が行えるという。

 そもそも刻印とは素材の表面を傷つけることで、サファイアガラスを割れないように彫刻加工するのは難易度が高い。またレーザーは、サファイアガラスのような透明な素材には反応しないため、一般的な金属のレーザー刻印とは異なるノウハウが必要になる。

 カシオは従来とは異なる波長のレーザーを用い、強度面の心配がないレベルでサファイアガラスへの刻印を実現した。これも紺碧の海を表現する上で必要なブレイクスルーの1つだった。

ベゼル上面の外周にはワールドタイム機能を示す都市コードを刻印

 ケースとメタルバンドにはチタンを用いた。チタンは軽量化に大きく貢献するが、採用した理由はそれだけではない。存在感のあるベゼルをさらに引き立てるようにシャープな面を用い、4本のラグでベゼルを掴むようなデザインとした。大きな宝石をあしらった指輪のような作りだ。

 ケースの厚さは8.7mm。2019年6月に登場した「OCW-S5000」の方がベゼルに傾斜があるぶん薄く見えるかもしれないが、実はOCW-S6000がマンタシリーズでは最も薄い。

横から見ると薄さが際立つ

 漆黒の文字板は上品な佇まい。ミラー仕上げを施し、針も上部を3面カットした台形として視認性を高めた。DLC(ダイヤモンドライクカーボン)加工が施されたブラックモデルは、12時方向のインデックス、竜頭(りゅうず)、三針のブロンズがアクセントになっている。シルバーモデルはインダイヤルのダークブルーが印象的だ。

 インダイヤルにはソーラー発電を行う「インダイヤルソーラー」を搭載している。モジュールの省電力化など技術が進歩したおかげでインダイヤルだけで電力をまかなえるようになり、文字板のデザインは自由度を増したのだが、カシオはそのインダイヤルまでブルー蒸着で美しく仕上げた。もうソーラー発電はデザインを阻害する要因ではなくなったようだ。

 電源であるソーラーパネルの存在を感じさせないデザインは素晴らしい。金属が透過しないはずの電波を受信できるにもかかわらず、アンテナが仕込まれている場所も想像できない。単に機能を盛り込むだけでなく、多機能さや高機能さを感じさせないエレガントで精悍(せいかん)な佇まい。デザインはもちろん、薄いケースだから実現できたのだと思う。

 そのケースにはもう1つ特長があった。サファイアガラスベゼルの内側(文字板との境)に見える青い円は、実はケースの上端だ。カシオはOCW-S6000のために上部をすぼめた“壺”のような形状のチタンケースを開発し、サファイアガラスとケースを一体化して耐久性を上げた。

 それだけではなく、ケース上端にもブルーIP(イオンプレーティング)を施して文字板やベゼルと一体感を持たせている。ベゼル、ケース上端、そして文字板の風防はツライチ(段差がなくフラットな状態)となり、ウォッチフェイスをより大きく見せる。よく考えられた構造とデザインだ。

光が当たる角度によって様々な表情を見せるOCW-S6000

 基本的なムーブメントはOCW-S5000ラインから変化していない。スマートフォンリンクを通じた自動時刻合わせやタイムゾーン切り替え、サマータイム補正なども引き継がれている。

 もっとも積極的にエレクトロニクス技術を導入してきたカシオだけに、ファンにとって機能面が充実していることは織り込み済みかもしれない。それでも最新のマンタ、OCW-S6000には、美しさという大きな訴求力がある。

 とかくデジタル的な機能は腕時計そのものの佇まいや背景にあるストーリーを陳腐にすると見られがちだがオシアナスは違う。伝統的な腕時計の価値観をそのままに、それとは気づかない形でさまざまな最新技術を盛り込んでいる。そのさりげなさこそが、オシアナスを選ぶ理由だと感じた。

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提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2021年10月29日

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