データセンターは場所貸しだと思ってない? 現場を直撃 “IT資産の守り人”に聞いて分かったお仕事内容ITmediaスタディーツアー

» 2022年11月08日 10時00分 公開
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 一昔前まで企業はIT資産をオンプレミスで管理していたが、いまデータセンターという新しい選択肢が注目を浴びている。サーバーなどのIT機器や各種データといったIT資産を預ければ、安全かつ適切に保管した上で管理を任せられる。設置場所の用意がいらないので初期投資を抑えられるうえに、拡張性もある。またオンプレ環境のバックアップ先としてBCP(事業継続計画)の観点でも有用だ。

 「いやいや時代はクラウドでしょ」というツッコミは待ってほしい。システム構成やデータの機密性といった点でクラウド化できないITインフラは多い。それにクラウドコンピューティングとはいえ、何も空に浮いているわけではない。結局はどこかのデータセンターに大本のITインフラを設置するのが一般的だ。

 実際に自社の大切なIT資産を預けるとなれば、データセンターにはこだわりたい。多くの場合、自然災害やセキュリティ面での堅牢性や安全性といった情報を基準に選ぶことになる。

 しかし本当にこれだけで選んでしまっていいのだろうか。万全な安全対策を取るデータセンターは内部の様子を知ることが難しく、いわばブラックボックス化している。もしかしたら建物はあるが、従業員は全員ロボットかもしれない! 内情が分からない場所に自社のIT資産を預けることに、不安を覚える人もいるだろう。

 一度考え始めると、内部が気になって仕方ない。とあるデータセンターを訪問してみた。すると優しいスタッフが出迎えてくれ、従業員ロボット説は無事否定された。せっかくなのでスタッフとエンジニアに、普段は聞きづらい業務内容を教えてもらった。今回はその模様をお伝えする。

“うどん県”のデータセンターに赴く

 東京から飛行機で約1時間半、“うどん県”こと香川県高松市にやってきた。向かったのは STNet(香川県高松市)が運営する西日本最大級のデータセンター「Powerico」(パワリコ)だ。空港と高松駅の中間に位置し、交通手段はもちろん、うどん店にも事欠かない。

 高松市にデータセンターがあるのは、何もうどんがおいしいからではない。同市は自然災害のリスクが少ないことで知られており、例えば気象庁の「震度データベース」によると過去100年間で震度6以上の地震はゼロ回だ。

 仮に震度7クラスの地震が起きても、免震装置で施設への影響がでない程度に低減できる。また香川県内の2カ所の異なる変電所から電力の供給を受けており、自家発電設備や無停電電源装置(UPS)を用意して電源の冗長性を確保している。さらにセキュリティ面では7段階のチェック体制を整備。監視カメラや生体認証、各種センサー類を駆使したチェックを経てはじめてサーバールームに入れる。

photo データセンターの入口。おしゃれな雰囲気だが、しっかりセキュリティゲートがあるのが分かる

データセンターのエンジニアは“IT資産の守り人”

 さて、本記事では、このPowericoを動かしている“仕事人”に焦点を当てていく。取材したSTNetは、四国電力の情報システム部門から分離独立した企業だ。四国電力のITシステムを約35年にわたって保守管理しており、その経験と技術をPowericoでのサービスに反映している。

 一般的にデータセンターは、IT機器やデータを置くための場所貸しというイメージが強いかもしれない。しかし実際のデータセンター事業は、さまざまなIT機器に対応できる技術を持ったスタッフが日夜問わず管理することでサービスを支えている。

photo STNetの多田智和氏(プラットフォーム本部 プラットフォームオペレーションセンター 新高松データセンターサービス第1課長)

 「Powericoのデータセンター施設は頑強で、物理的なセキュリティ対策も万全です。加えてエンジニアが交代で24時間365日、預かったIT機器や施設の運用、BCP発動時の支援にあたっています。この両輪でお客さまの大切なシステムやデータを守っているのです」――Powericoでデータセンターの運用業務を担当するSTNetの多田智和氏(プラットフォーム本部 プラットフォームオペレーションセンター 新高松データセンターサービス第1課長)はこう話す。

 そう、データセンターのエンジニアは「IT資産の守り人」なのだ。

24時間365日体制のマネージドサービスを提供 舞台は“うどんルーム”

 では、IT資産の守り人たちはどのような仕事をしているのか。ここではSTNetが提供する多段階のマネージドサービスを基に仕事内容を紹介する。同サービスの1段階目は「基本保守サービス」だ。顧客の要請に応じてIT機器の電源オフ/オンやリセットボタンの操作をする、機器の状況を知らせるLEDランプを確認するといった内容に対応している。

 2段階目はIT機器の「監視サポート」だ。機器の安定稼働を支えるため、稼働状況やログ、サーバーのCPUやメモリの利用状況などを監視している。異常があれば直ちに指定の障害担当者に連絡する。

 これら2段階のサービスは、約100人のエンジニアが一部3交代制で24時間365日対応している。保守管理や運用を行うのはデータセンター内の監視室、その名も“うどんルーム”だ。決して冗談ではない。正式名称は「UDON Room」(Ultimate Data OperatioN Room)という。長く途切れないサポートと柔軟かつコシのあるサービスを提供する同社にぴったりだ。

photo UDON Room(監視室)の様子

 マネージドサービスの3段階目は「運用サポート」だ。こちらも24時間365日対応で、予備機へのケーブル差し替え代行、修理手続きの代行といった内容で、有事の際でも素早く対応する。顧客のシステム担当者が駆け付ける必要はない。

 さらに同社では個別の要望に対しても専門チームで実現を検討するなど、柔軟に対応している。

photo STNetの福本裕一氏(プラットフォーム本部 プラットフォームオペレーションセンター 新高松データセンターサービス第2課長)

 「緊急時対応というお客さまの負担を、私たちが代わりに対応することで解決できます。IT機器を預けるだけでなく、保守管理をアウトソーシングするという考え方をしていただきたいです」――こう紹介するのはSTNetの福本裕一氏(プラットフォーム本部 プラットフォームオペレーションセンター 新高松データセンターサービス第2 課長)だ。


photo STNetのマネージドサービスの概要(クリックで拡大)

堅牢なセキュリティ対策と障害対応訓練で万が一に備える

 顧客のIT資産を守る上で重要なのが、非常事態への対応だ。STNetではそもそも非常事態が起きないよう強固なセキュリティ体制を整備している。それは日本データセンター協会(JDCC)が定めるファシリティ評価基準の最高水準「ティア4」や、電子技術産業協会(JEITA)と金融情報システムセンター(FISC)が定める安全対策基準に準拠していることからも明らかだ。

 しかしこうした評価を持っているだけでは意味がない。その基準に沿ったサービスを安定的に提供するために、設備や技術を適切に扱える人材の育成や組織体制の維持、技術レベルの向上に努めていると福本氏は説明する。

 そうした観点から、万が一に備えて障害対応訓練を定期的に実施している。いざというときにIT資産をしっかり守る下地作りだ。顧客と連携したBCP発動訓練もしており、過去に顧客側でトラブルが起きた際に訓練が生きたと福本氏は話す。

「人」を磨くことでサービス品質と顧客満足度を向上

 こうしたSTNetの丁寧な体制は何も一朝一夕で仕上がったわけではない。顧客の声に真摯(しんし)に対応する丁寧なサービスを強みにする中で、スタッフやエンジニアといった「人」が重要だという結論に至った。

 そのためSTNetでは、データセンターで働く人だけでなく、その他多くの従業員がデータセンター事業やクラウドといったITに関する研修を受けている。さらに、データセンターの来館者や顧客のシステム担当者との意思疎通をスムーズに行うため、技術面だけでなく、サービス業としてのコミュニケーション能力やビジネスマナー教育にも力を入れている。

 24時間体制の運用業務に携わるエンジニアでも、自身やチームの学習に時間を取れるほど余裕を持ったスケジュールだ。過度な負担をなくして運用ミスを防ぐと同時に、しっかり人材育成に投資することで、高品質なサービスを維持している。

データセンターが提供するクラウドサービス 使い勝手の良さとは?

 ここまでSTNetのPowericoを見てきたが、同社では自前のデータセンターを活用したクラウドサービスも提供している。それが「STクラウドサーバーサービス」だ。同サービスはユーザー専有のプライベートクラウドを提供する「プレミアムタイプ」、メールやWebサーバーなどを提供するSaaS型の「エコノミータイプ」、サーバー基盤を構築できるIaaS型の「FLEXタイプ」の3種類に分かれる。

photo STNetの飛多啓悟氏(プラットフォーム本部 プラットフォームオペレーションセンター クラウド・セキュリティサービス課長)

 特にFLEXタイプはユーザー企業からの評判がいい。一般的にIaaSは独特な構成で扱いづらいことも多いが、FLEXタイプはWebブラウザ上の「FLEXポータル」で容易に操作できる。オンプレミス環境のシステム運用を再現しており、クラウドとはいえサーバーエンジニアが作業しやすくて好評だとSTNetの飛多啓悟氏(プラットフォーム本部 プラットフォームオペレーションセンター クラウド・セキュリティサービス課長)は話す。


photo STクラウドサーバーサービス FLEXタイプの管理画面イメージ<特許第5925237号>

 さらにSTクラウド サーバーサービス FLEXタイプでは、クラウド環境とPowericoに預けたIT機器を接続するサービスも提供している。同じ建物内で管理しているため、ケーブル1本でつないで高速通信を実現できる。

使用電力の約4割で再エネ使用 ユーザーに評価されるデータセンターを目指す

 Powericoを訪ねてスタッフに話を聞いたことで、表に出ることが少ないデータセンターの細部を知ることができた。データセンターの契約を考えている人も、ここまで見てきたような安全性や品質があれば安心して契約を検討できるだろう。

 それでもまだ「でもデータセンターって使用電力量がすごいんでしょ? 脱炭素の流れ的にちょっと……」と思うかもしれない。しかしPowericoでは空調や照明など、約4割の使用電力に再生可能エネルギー由来の電力(※)を使っている。いまはまだサーバー等の機器が使用する電力には再生可能エネルギーを導入してないが、将来的にはさらなる脱炭素化を進めようと検討中だ。

※発電時に二酸化炭素を排出しないという環境価値を非化石証書として活用した、実質的な再生可能エネルギー

 こうした取り組みによって、STNetはユーザーに評価されるデータセンターを目指している。Powericoは事前に予約すれば見学できるため、ぜひ自身の目で評価してほしい。データセンターの契約を検討している、IT機器の管理に悩んでいるといった人はSTNetに相談してはいかがだろうか。自社に適した柔軟なサービスを提供してくれるはずだ。

photo 左からSTNetの多田氏、飛多氏、福本氏

西日本最大級のデータセンターに潜入! “巨大な箱”の内部を徹底レポート 訪ねて分かった「うどん県」に建てた理由

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STNetが運営するデータセンター「Powerico」内部に潜入した模様をレポートした。厳重なセキュリティ対策の内容や、見るだけでワクワクするサーバールームやUDON Roomの様子を紹介しているので、ぜひ読んでいただきたい。


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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2022年11月29日