“教室の雰囲気”まで配信できる!? 次世代授業を1クリックで開始 教育展示会で見たハイブリッド授業の裏側

» 2023年06月30日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 いま、教育DXはこんなにも“アツい”のか――10年ほど前まで教員だった筆者は、教育総合展「EDIX」に参加してその活況ぶりに驚かされた。DXの取り組みが各所で広がっているが、教員現場でのICT活用やDXは想像以上に進んでいた。

 足を運んだのは、東京ビッグサイトで開催された「第14回 教育総合展」(EDIX/2023年5月10〜12日)。保育園や幼稚園から大学、塾など、あらゆる教育現場のDXに役立つ企業が集まる展示会で、出展社数はなんと318社に上る。

 広い会場の随所でセミナーやデジタル教材の体験会が行われており、中には来場者がVRゴーグルを付けて次世代の教育を体験するブースまであった。全てを見て回ることはできなかったが、特に人が集まっていたブースを中心に「これは!」と思ったブースをレポートする。

photo EDIXの様子

誰一人取り残さない教育をかなえる EDIXで感じた“強い意思”

 GIGAスクール構想が始まって早3年目に突入した。1人1台端末の整備を中心に、児童・生徒を誰一人取り残さない教育の実現が目的だ。コロナ禍でも学びを止めないという役割も果たしてきた。

 コロナ禍が明け、オンライン授業が減るなど教育現場では“揺り戻し”が起きているようにも思えるが、EDIXでは教育関係者たちの「後戻りはしない」「教育DXを進める」という強い意思を感じられた。なにせ3日間の来場者が約2万3000人という盛り上がりようだ。注目度の高さもうかがえる。

GIGAスクールの理念を実現 「ハイブリット授業」とは

 筆者が今回注目しているテーマは「ハイブリッド授業」「ハイフレックス授業」だ。どちらも“教室にいる人”と“自宅にいる人”が混在する授業を指す。ハイブリッド型は授業内容や児童、生徒の状況に応じて児童や生徒が自分で授業形態を選べ、教室の授業をオンラインでも受けられるようにするものだ。一方のハイフレックス型では教室で実施した授業を、好きな時間に、好きな場所で、好きなだけ繰り返し学べるオンデマンド受講をハイブリッド型に加えた授業形式のことをいう。

photo ハイブリッド授業とハイフレックス授業の概要

 まずはハイブリット授業を適切に活用することで、GIGAスクールの本来の目的「誰一人取り残さない教育」を実現するのに役立つ。病気やトラブルなど何らかの理由で学校に登校できない児童生徒でも、オンラインで授業に参加できるからだ。

 このハイブリット授業を進める際の課題は、オンライン参加者にも教室と同じ空間を共有することだ。黒板が見やすいなど学習面でのメリットはもちろん、同じ空間や時間を共有することで生まれる連帯感や安心感は子どもにとって大切になる。

 こうしたハイブリット授業の課題を解決できないものか。EDIX会場を歩いていると、教室を模したブースに人だかりができていた。ビデオ会議ツール「Zoom」の文字が見えるため参考になるだろうと見学することにした。

photo

ハイフレックス授業ってどんなの? 教室風ブースで模擬授業

 訪れたのは、ソフトバンクグループ企業の1社であるSB C&Sという企業のブース。同社はハードウェアやソフトウェアからサービスまで“IT商材”を幅広く取り扱い、そのビジネス経験で得た豊富なノウハウを蓄積してきた。その実績を生かして教育DXを積極的に支援している。

 SB C&Sのブースは教室に似せた構造で、教室の前方と側面に大型モニターがあり、教壇に先生役のスタッフが立っている。教室内には数席の椅子があり、天井などのカメラで教室の様子を映しているようだった。

photo

 しばらくすると、ハイブリット授業のデモンストレーションが始まった。先生役と生徒役で模擬授業をしながら、オンラインで参加している生徒に授業を配信している。教室前方の大型モニターには先生が使う端末の画面が映り、教室側面の画面には生徒が見ている画面が表示されている。

 ハイブリット授業では、教室にいる生徒も自身のPCを立ち上げてオンライン授業に参加することを想定していた。資料の配布や出欠確認などをオンライン上で一元化できる上、オンライン参加の生徒にとっては自分1人だけ参加するわけではないので一体感を得られそうだ。

 デモンストレーションでは、教室内のカメラが黒板や教室全体、先生役を映している様子をモニターで確認できた。そして資料や動画を投影したり、教室とオンライン参加者とでコミュニケーションを取ったりと、模擬授業がとてもスムーズに進んでいく。ブースを見学していた人たちがうなずいたり、驚きの声が漏れたりすることもあった。

photo

たった1ツールで映像配信も資料投影も操作 そのシステムは?

 模擬授業の後に、ハイブリット授業を実現したシステム構成の解説があった。SB C&Sのブースでは、映像配信のベースに「Zoom Rooms」を採用しており、先生はハイブリッド授業支援ツール「Class」のみを起動して資料の共有などを行っていた。そしてHP(Poly)社のZoom認定カメラ(本記事では「Poly」と表記)で撮影していたと担当スタッフが明かし、操作手順の説明に入った。

 まず先生役がClassを立ち上げ、教卓に置かれた小さなタブレットをワンタップする。すると教室に設置した3台のPolyが起動し、黒板・教室全体・先生役の映像がClassの画面に自動で映し出された。画面左上に先生の映像が表示され、その下に参加者一覧やチャット欄が並ぶ。先生の映像の下に黒板の映像を固定することもでき、オンラインで授業に参加している生徒は、黒板に板書されている内容を教室にいる生徒と同じくいつでも確認できる。

 先生用の管理モードでは、画面左に講師用ツールがまとまっており、画面中央に参加者の映像が一覧表示されている。 出欠確認や、テストの実施と自動採点、授業で利用するスライド資料や動画を共有したりするといった操作はClass上で完結する。授業中、先生はClassだけ操作すればいいので、授業運営に集中できそうだった。生徒側のPC画面では、先生が常に左上に固定表示されるので、見失うことなく身振りなどを確認できる。

photo Classの先生向け画面。左上に先生の映像が、中央に参加者の映像が表示される。ダッシュボードではセッション時間や、先生や生徒それぞれの発言時間などをチェックできる

 ブース見学者から「おぉ〜」と感嘆の声が出たのは、Polyの映像だった。発言した人を認識してズームアップする機能があり、生徒役が喋ると教室全体を映していた映像が、生徒役が喋ると本人を捉えてズーム表示した。ハイブリット授業でも、実際の教室と同じく話している人に自然と注目が集められる機能だった。

 Zoom RoomsとClass、Polyを活用すれば、ハイブリット授業を理想的な形で進められそうだ。生徒は教室にいてもいなくても授業に参加できるし、同じ空気感を共有できる。先生としても、教室にいる生徒もオンラインで参加している生徒も全員を公平に扱える。もっと詳しく知りたいと思い、担当者に話を聞くことにした。

先生目線で考える、ITを活用した負担軽減策

 後日SB C&S本社を訪ねて、ハイフレックス授業のポイントを取材した。同社はソフトバンク創業当時のIT流通事業を継ぐ企業だ。取り扱いメーカーは4000社超、取り扱い製品は約40万種類で、それらに精通したITプロフェッショナルが多数所属している。製品を直販するのではなく、メーカーの1次代理店としてSB C&Sの代理店やパートナー企業を通してエンドユーザーに提供する事業形態だ。

 話を聞いたのは、EDIXのブース出展を担当した高野智さん(“高”ははしご高)。学校向けソリューションなどを担当し、教育現場の声を真摯に聞いていたからこそ、人だかりができるブースを実現できたという。

 「先生たちの課題を理解して、それをどう解決するか考えた上でのZoom×Class×Polyというパッケージでした。授業の準備や校務にかかる負担を減らすことを最重要ポイントにしています。メーカー視点ではなく、ユーザー目線で紹介したのが好評でした」(高野さん)

photo SB C&Sの高野智さん(ICT事業本部 システム基盤推進本部 エンドポイントデバイス推進統括部 販売推進部 部長代行)

 先生たちの課題の一つが映像配信だ。従来は固定カメラで黒板を映すケースが多く、変化に乏しい一方的な授業になりがちだった。一方で複数のカメラを接続したり映像を切り替えたりする複雑な操作だと先生たちの手に負えない。

 そうした課題をITの力で解決するのが、今回のパッケージだ。Web会議ソリューションのPolyを使えば、教室全体を映しながら、発言した人を自動でズームアップしてくれる。マスクをしていても発言者を認識する上、端の座席の声もしっかりと拾える。教壇を歩き回る先生を追尾することも可能だ。

 さらに隣の教室の騒ぎ声や外の騒音が大きいと、オンライン参加者は苦痛に感じてしまう。Polyなら雑音を遮断するノイズブロック機能や、指定したエリア外の音を拾わない「Poly Acoustic Fence」機能でオンライン授業の不快さを軽減できる。デモンストレーションでは、模擬教室内での会話はクリアに聞こえるのに、教室外の発言は一切聞こえなくなり、Acoustic Fenceの精度の高さに驚いた。

 PolyはZoom Roomsと連動してワンタップでシステムを起動できるため、特別な操作を覚える必要がなく手軽に扱える。ZoomはOSに依存せず使え、映像/音声データが適切に圧縮されるので通信環境や端末スペックに左右されることが少ない。

ハイブリット授業はClassで一元管理 欲しい機能がそろっている

 Polyの映像配信から資料共有まで、ハイブリット授業に関わる管理を一元化できるのがClassだ。Zoomに教育特化機能を拡張できるアプリケーションで、授業をサポートする機能が盛り込まれている。例えば自動出欠記録やアンケート、テストと自動採点、生徒端末の遠隔操作など欲しい機能がそろっていると感じた。

 「投影したい資料や動画がある場合、通常なら文書ソフトやWebブラウザなどを毎回立ち上げる必要がありますが、Class内で完結します。関連する資料を事前にフォルダにまとめておけば、Classアプリのみで授業を進行できるのです」(高野さん)

 ハイブリット授業では教室にいる生徒も自端末でClassを立ち上げることをSB C&Sは推奨している。先生が一元管理できるだけでなく、例えば座席から黒板が見えづらくてもPolyの映像を見て確認するなど柔軟な授業にできる。

 こうした1人1台端末を活用した授業に適したPCとして、Microsoftが提供するWindows端末が選択肢の一つになる。今後、社会全体でさらなるICT化が進むであろう現在、社会人になる前からWindowsに慣れておくのは、いまの学生にとってメリットがあるだろう。そして、普段からPCを使うことで、子どもたちのITスキルも向上しそうだ。

photo

「空気感を共有できる」 Zoom×Class×Polyで実現する次世代授業

 Zoom×Class×Polyによるオンライン基盤が整っていれば、授業の幅は格段に広がる。ハイブリット授業の実施はもちろん、他校との交流も手軽になる。例えば島しょ部の学校と本土の学校をつないでイベントを開いたり、講師を招いたオンライン講演を高品質な音と映像で配信できる。塾や大学でも活用でき、遠方の受講生や海外の学生を受け入れられるので、学生減少に悩む学校の経営を支えるソリューションにもなりうる。

 「私たちは空気感を共有できることが最大のメリットだと考えています。不慮のけがや病気などで登校しづらい生徒のみなさんがクラスの雰囲気をつかむのはとても大変だと思います。このハイブリット授業の環境があれば自宅から気軽に授業に参加できるので、徐々に教室の雰囲気に溶け込んで、登校時に話の輪に入りやすくなるお手伝いができると考えています」(高野さん)

photo Classの画面。生徒の画面では、教育の様子や雰囲気が分かりやすい

 ICTやデジタルと聞くと味気がないものをイメージしがちだが、SB C&Sのソリューションは先生の負担を減らし、子どもたちに寄り添うハイブリット授業を実現できるのだと取材を通して感じた。きっと必要としている学校は多いだろう。これをしっかり届けて教育DXを進めるには、パートナー企業の存在が欠かせない。「ぜひSB C&Sに一度お声掛けください」と高野さんはこの取材で唯一の宣伝をした。

 最後までユーザー目線の取り組みが印象的だったSB C&S。「自分が教員だったときに、こんなシステムがあったら良かったなぁ」なんて思いながら、帰路についた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:SB C&S株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部/掲載内容有効期限:2023年7月11日