
旭化成ホームズ
APIを資産化して再利用を徹底、横展開を促進
システム連携の開発コストを60%削減
新サービス展開時のシステム改修工期が半減
データ活用で顧客体験を向上、LTV最大化へ
PoCでクイックウィンを作り、意思決定を加速
わずか1年で内製化の体制を確立
旭化成ホームズ
戸建住宅事業「ヘーベルハウス」と賃貸管理事業「ヘーベルメゾン」を主軸に、分譲マンション「ATLAS」や、再開発、建替えなどの不動産開発を展開。設計・施工に加えて、運営や管理を担っており、既存住宅の流通から中高層建築、リフォーム、メンテナンス、賃貸管理、仲介、シニア賃貸、周辺サービスまで幅広く展開している。
本社 東京都千代田区
旭化成ホームズが導入した「デジタルサービス基盤導入支援サービス」とは
Salesforceが提供するMuleSoftを活用し、基幹系とクラウドをセキュアにつなぐデジタルサービス基盤の構築を支援するグローバルウェイのサービス。APIの資産化・再利用を定着させ、戦略設計〜PoC、実装、ガイドライン整備、内製化教育、運用伴走、横展開まで一貫提供。
「MuleSoft」を軸としたデジタルサービス基盤を構築
開発コスト60%減、工期50%減、年間約5000万円削減
大手ハウスメーカーの旭化成ホームズは、CX(顧客体験)向上に向けたシステム基盤の充実化を進めていた。しかし、事業ごとにサイロ化した基幹システムが壁となり、開発コストの増大と開発期間の長期化に悩まされていた。さらにバッチ処理が中心の文化ゆえにタイムリーにシステム連携できない点も大きな課題となっていた。
同社でDXを推進する澤田恭佑氏は、レガシーシステムから脱却し、業務変革の実現を企図。グローバルウェイの支援の下、API連携を軸とした「デジタルサービス基盤」を構築。米Salesforceの「MuleSoft」を採用し、事業部門と開発チームがワンチームで内製できる体制を整えた。その結果、システム連携の開発コストが60%減り、工期は半減。年間で約5000万円ものコスト削減効果が生まれた。
課題
システム分断で連携がボトルネックに
改修待ちとバッチ文化でCXに課題
事業別に基幹システムが存在 連携がボトルネックに
新築、リフォームなど事業領域ごとに基幹システムが分散されており、サイロ化していた。結果としてシステム間連携やデータ共有が大きなボトルネックとなり、修正するたびに関連する箇所を見直す必要があった。
システム間連携の改修に最長1年、ビジネスにも影響
基幹システム側でほかの開発プロジェクトが進行している間は新規の改修に着手できず、システム間連携の改修が先送りに。1年もの待機を余儀なくされることもあり、新サービスを早期に展開したくても実現できない状況だった。
バッチ文化でリアルタイム連携できず、CXの障壁に
顧客接点はデジタル化しているのに、バッチ処理でデータ連携していたためリアルタイム性が欠如していた。例えば、会員登録に必要なデータの準備に時間がかかり、ユーザーへの連絡に日数を要してしまうなど、顧客体験(CX)における障壁になっていた。
解決!
PoCで成果を早期に提示
API連携を共通基盤として整備
オーナーサイト起点でPoCの成果を早期に提示
物件所有者向けの「オーナーサイト」を起点にPoCでスモールスタートし、成果を出すことを優先した。導入効果を早期に可視化することで、MuleSoft活用の意義を社内の共通認識とし、次の展開へつなげた。
APIを「再利用可能な資産」とする、意識の転換
単なるシステム連携開発ではなく、APIを「再利用できる資産」と定義した。グローバルウェイが提唱するAPIライフサイクル管理の思想に基づいて「APIは業務そのもの」という前提で設計、管理するサイクルを確立。一度開発した機能を資産として積み上げ、横展開や新施策の実施を加速するマインドを組織全体に浸透させた。
ビジネスの要求に即応できるデリバリーを確立
MuleSoftを活用してリアルタイムなデータ連携を可能にしたことにより、日次バッチ処理中心の文化から脱却。基幹システムに手を入れない疎結合な基盤構築により、最長1年を要していた待機期間を解消した。API資産の総数は約200に達し、これを再利用することでシステム連携の工期を従来の50%に短縮し、ビジネスの要求に即応できるデリバリーを確立した。
「デジタルサービス基盤導入支援サービス」の選定ポイント
お客さまインタビュー
「今までのやり方でいい」という壁を乗り越えた“エバンジェリスト”の突破力
MuleSoft導入以前は、典型的なバッチ処理文化だったこともあり、「リアルタイム処理なんて必要なのか」「今までのやり方でいいじゃないか」という空気が強くありました。IT部門もベンダーも慎重な姿勢だったため、「何を変えるのか」を社内に理解と納得をさせるところから始める必要がありました。
建設会社らしく「家の構造」や「性能の良いネジ」など身近なものを比喩に使って、MuleSoftを軸とするデジタルサービス基盤で何が変わるのかを丁寧に説明しました。APIを中心に「機能やデータをサービスとして扱う」という考え方やメリットを伝え続けたことで、少しずつ理解が浸透し、前に進むきっかけが作れたと思います。
同じ社員のような存在――グローバルウェイの伴走支援
MuleSoftを導入するにあたり、「支援会社はその領域に特化している専門企業が良い」と考えました。グローバルウェイさんは実績が豊富で、PoC時に当社の準備が足りていなくても非常に柔軟に対応していただきました。最初の立ち上げ局面で、あの伴走支援があったのは本当に大きかったと感じています。
私の中で、グローバルウェイさんは「外注先」というよりも「同じチームの一員」であり、同じ社員のような感覚です。ヒアリングして終わりではなく、教育やベストプラクティスの提示、API戦略の相談まで並走していただけたことで、内製化後もAPI設計の考え方が社内に引き継がれています。
想定を超えたニーズと反響、今後はC4E体制やAI活用も
最初にMuleSoftを導入するシステムは、住宅のオーナーサイトを選びました。顧客が直接利用するためリアルタイム性が求められ、CX向上という成果を出しやすいというのが理由です。これを起点として、小さな範囲から「クイックウィン」を実践し、効果を感じてもらうことを重視しました。そこで確かな成果を上げられたことで、さまざまな部署からニーズが出てくるようになっています。
現在は、各部署が自律的にMuleSoftを活用して開発を進めるようになり、統制や標準化の観点から私たちが「怒られてしまう」ほど、活発に利用されています。これは喜ばしいことですが、今後は統制と自由度のバランスを取るため、部門横断型のチーム「Center for Enablement」(C4E)に近い体制を整える方針です 。中央集権的な管理だけでは手が回らないほど拡大するニーズに対して、標準化という枠組みで対応したいと考えています 。
まずは経営の意思決定を支えることを目標にデータ基盤を構築し、それらをMuleSoftでつないでいく準備を進めます。今後は連携させるデータをさらに整備し、業務やサービスと結び付けることで、データドリブン経営につなげていきます。その先にはAIエージェントの活用も見据えています。
2030年の未来から逆算した、自律的な変革を加速する組織基盤
■ 将来の構想を見据えた段階的ロードマップ
グローバルウェイが提案するのは、柔軟でスピーディーな基盤開発体制の構築だ。まずはデジタルマーケティング領域のシステムを棚卸しして、将来構想やアーキテクチャを検討しロードマップに落とし込む。次にPoCでユースケースを選定し、実現性や技術、効果を検証。ハンズオンと伴走支援でトレーニングし、デジタルマーケティング部門からスモールスタートする。そこで成果を実証することで、他事業部やグループ全体へ展開。最終的にフロントシステム刷新、基幹システム刷新、データ利活用へつなげていく流れだ。グローバルウェイは導入後も顧客に寄り添い、内製化を一気通貫で支援する。
■ MuleSoftの知見を融合したワンチームで、開発を自走できる組織へ
旭化成ホームズ、既存システムのパートナー、MuleSoft認定パートナーのグローバルウェイなどでワンチームを構成し、準内製型かつアジャイル型で開発を推進する。チームは、推進計画を練るほか、アーキテクチャの検討、優先度の調整、開発チームの管理、API思想の理解などを担い、推進担当者が中心となってプロジェクトを進める。さらに開発チームが持つ既存システムの知見と、MuleSoftに関するグローバルウェイの知見を融合させて、教育、ベストプラクティス、APIガイドラインといったスキルトランスファーを通じてチームが自走できる状態を確立する。将来的には事業部門も巻き込んで、C4Eとして機能させる方針だ。
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