5Mバイトからのスタート HDD誕生から50年
PCやデジタルレコーダー、音楽プレーヤーに搭載されているハードディスクドライブ(HDD)。今年9月、世界初のHDDの登場から50周年を迎える。この間、HDDの記録容量は飛躍的に拡大。今や企業の業務データからデジカメで撮った個人の思い出まで、あらゆるデータを保存するために欠かせないキーデバイスになった。
HDDは、磁性体を塗ったディスクに磁気を利用して電子データを記録する。米IBMによる最初のHDD「RAMAC」(Random Access Method of Accounting and Control)が誕生したのは1956年9月13日。24インチ(約61センチ)のディスク×50枚という巨大な装置ながら、記録可能なデータ容量は5Mバイトに過ぎなかった。
IBMのHDD事業を受け継いだ日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)によると、現在までの50年間で、HDDの記録密度は5000万倍になった。同社が発表した新製品「Deskstar T7K500」では、3.5インチ(約8.9センチ)のディスク1枚に160Gバイトを記録可能だ(関連記事参照)。
RAMACの当時の価格は5万ドル。1Mバイト当たり1万ドルになる計算だ。現在では、1Mバイトの約1000倍となる1Gバイト当たりの単価は50セント以下にまで下がった。
記録密度の向上に伴い、HDDのサイズも小型化が進んだ。デスクトップPCの主流は3.5インチ、ノートPCは2.5インチで、iPodなどの携帯プレーヤーでは1.8インチや1インチが使われている。東芝が開発した0.85インチ型の現行製品は、500円玉以下のディスクに4Gバイトを記録でき、携帯電話にも搭載されるようになった。
半導体にデータを記録するフラッシュメモリの大容量化もめざましいが、容量当たりの単価などでHDDに分があり、日立GSTは「当面、磁気記録方式の優位性は揺るがない」とみる。
既存技術では限界があった記録密度をさらに向上させる「垂直磁気記録方式」の実用化も進み、富士通は2010年には現在の「1けた上」の大容量化が可能になると予想している(関連記事参照)。
PCなどのIT機器からデジタル家電製品へと用途が広がり、HDD市場の成長は今後も加速しそうだ。日立GSTのウィリアム・C・ヒーリーJr.上級副社長は、調査会社の予測をもとに「HDD誕生から50年間で20億台のHDDが販売されたが、次の5年間でまた20億台が販売されるだろう」と話している。
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