Intel、45nm技術で勢力奪還をアピール
米Intelは、年内に登場予定の45ナノメートル(nm)プロセッサ設計に使う画期的な技術を披露したが、これは同社にとって、ライバルのAMDに奪われた勢いを取り戻すためのさらなる一歩となる。
Intelは1月27日、半導体のリーク電流問題に対応する一助となる技術の進展について発表した。リーク電流問題は、Intelなどの半導体メーカーがプロセッサの小型化を続けるための鍵となる。Intelの発表と同時期に、IBMも同様の技術を披露した。
45nmプロセッサは今年末に登場する。業界初の提供になる予定で、Intelはこの新技術について、AMDよりも技術面で優れていることを改めて示すものだとうたっている。数カ月前にもIntelは、4コアをめぐる競争でAMDに先駆けて「Clovertown」プロセッサを登場させたばかり。45nmプロセッサの「Penryn」では、トランジスタゲートの誘電体に新素材の「high-k」を、トランジスタゲートの電極に複合素材を利用する。この技術により、Intelは業界で1年以上先行することになると同社は言う。
しかしアナリストの予想では、Intelの優位は長くはもちそうにない。AMDはIBMとの関係に助けられる形で2008年までに45nmプロセッサをリリースし、業界で肩を並べる見通しだ。さらに、AMDの4コアプロセッサ「Barcelona」も年内に登場する。同社の言う「ネイティブ」設計は、4つのx86プロセッサコアを1つのシリコン上で融合させるもので(これに対してIntelの4コアプロセッサは2つのデュアルコアプロセッサを1つのシリコン上で結合する)、AMDに言わせれば自社のアーキテクチャの方が優れており、勢いを奪い返すことができるとの見方だ。
こうした目まぐるしい展開の中で、半導体分野の主導権争いは、Intelがはるかに先行していた時代とは違った様相になるが、AMDがデュアルコアとx86技術のイノベーションで優位に立っていた過去数年のような状況に戻ることもなさそうだ。AMDとIntelがしのぎを削る中、この分野の情勢は変わり続けるだろうとアナリストは見る。
Insight 64のアナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏は言う。「どちらか1社が先行し、首位が1年から1年半ごとに交替するという昔ながらの競争になる。両社とも、極めて一貫したペースで前進できる態勢が整っている。Intelには大きな市場シェアとリソースがある。それを考えるとAMDはIntelに十分追いつくことができており、IntelはWoodcrestまで実質的な前進はしていなかった」
Barcelonaは65nmプロセッサだがAMDにとっては新製品であり、顧客やIT専門家はIntelの4コア製品との比較で判断したがるだろうとブルックウッド氏は話す。
Intelはイノベーションの面でまだAMDに遅れを取っているが、わずか1年前に比べればIT分野における同社の形勢はかなり良くなったと指摘するのは、Pund-ITのアナリスト、チャールズ・キング氏。AMDのOpteronが2003年に初めて登場した時点で、Intelはx86サーバ市場における重要な局面で敗北したと同氏は言う。しかし、45nmの発表、4コアプロセッサ、Sun Microsystemsとの契約獲得という最近の展開が、奪われた形勢を取り戻す一助となった。AMDもIntelと同様、Sun、Dell、Hewlett-Packard(HP)、IBMなどトップクラスのOEMと契約している。
「Intelは過去1年の製品刷新で目覚ましい実績を上げた。PCおよびサーバ向け製品を刷新し、着実にマルチコアへと前進し、万全の態勢を整えたように見える。Vistaの登場で今年は重要な年になるが、同社はここ長らくの状態に比べて相当いい状態にあると思う」(キング氏)
Intelが今回の発表を大々的に行ったのに対し、AMD幹部は、AMDがx86市場でシェアを拡大した(2006年第3四半期の23.3%から、第4四半期は25.3%になった)というMercury Researchの1月30日の報告書を引き合いに出した。ただしこの報告書では、Intelがデュアルコアと4コアプロセッサのおかげで、x86サーバ市場の勢力をある程度奪還したことも示されている。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
日本人の大腸がん、約半数に“腸内細菌の毒素”が関与 40歳以下の発症は7割 東大・阪大が200人を全ゲノム解析
-
2
「コミューン」不正アクセスでLINEヤフー、Sansan、パナソニックでも会員情報漏えいの可能性
-
3
「お前たちのクラウドはわれわれのもの」 IDCFクラウドの管理画面に出た攻撃者のメッセージ 内容に運営元は
-
4
「男は狩り、女は採集」はどこまで本当? 約8割で女性も狩り、乳児連れの例も 過去100年の狩猟採集社会を調査
-
5
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
6
OpenAI、安全性研究者3人を解雇 本人らは「安全性を優先したため」と主張、同社は「機密情報の扱いに関する規定違反」と説明
-
7
新作映画「バイオハザード」公開で原作ゲームも大盛り上がり? 劇場でマンガ家が頷いた、その理由とは
-
8
IDCFクラウド障害、親会社のソフトバンクが顧客窓口に 調査・復旧も支援
-
9
「家庭教師のトライ」が学力診断にAI活用 20問解くだけで弱点を推定 生徒と講師の負担減らす
-
10
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR