「Googleのアグレッシブさを学べ」──KDDI・小野寺社長
「Googleの考え方、アグレッシブさはもっと学ばなければ」──KDDIの小野寺正社長は12月19日の定例会見で、Googleとの提携のきっかけにもなったというGoogle社内でのひとときについて語った。今後、従来の垂直統合型の端末と、「Android」やWindows Mobileを搭載したオープン型の端末という複数の系統が共存していくという見通しを示した。
小野寺社長によると、米Googleのエリック・シュミットCEOと会談したおり、「KDDIの考え方をGoogleの若い社員に話してほしい」と請われ、米国のGoogleで2~3時間、モバイル担当のスタッフを前に講演したという。
「びっくりした。目の輝きが違う。35歳以上の人はいなかったと思う、7割が東洋人だったのでは」──と振り返る。「直接話をしてくれて、よく理解しているトップがいる」とGoogleから好評だったこともあり、「ぜひ」と両社の協力に至ったという。小野寺社長も「Googleのアグレッシブさ」が「うちの若手にも刺激になっている」と期待する。
Googleが発表した携帯電話プラットフォーム「Android」にはKDDIも参加を表明。一方、KDDIは米Qualcomと協力して統合プラットフォーム「KCP+」の導入を進めている。
サービス(EZweb)から端末まで、キャリア側の一貫した意志でユーザーを囲い込む従来の垂直統合型とは別に、PC的に自由にインターネットにアクセスできるオープン型も今後浸透していくだろうと小野寺社長は予測する。プラットフォームはAndroidに限らず、「例えばWindows Mobileもある」と話す。
「オープン型はSNSなどのサービスに適しているが、オークションやショッピングなど金の支払いがあったり、有料課金のサービスでは、従来のクローズドが適していると思う」と両者が住み分けていくだろうと見ている。
米Appleが「iPhone」のパートナーとしてNTTドコモを選ぶ可能性が高くなっているという報道があった。小野寺社長はiPhoneについて「魅力はある」としつつ、「iPhoneを販売している通信事業者の顧客の数が増えたという話は聞かない。顧客が増えるのなら通信事業者にとってメリットになると思うが、そうはなってないようだ」と慎重な姿勢だ。
ただ、「(Appleと)話をしなかったと言えばうそになるが……」とも。
フィルタリング原則加入に難問が
総務省の強い要請を受け、18歳未満の利用者はフィルタリングサービスに原則加入とする方針をKDDIを含む事業者が発表した。義務化の時期は検討中だが、実施には難問も。
それは加入契約の「名義」の問題だ。auの場合、18歳未満の利用者の7割が本人名義で契約しているが、3割は親の名義。小野寺社長が総務省で要請を受けた際、NTTドコモの中村維夫社長と話したところ、ドコモは本人名義が3割、親の名義が7割と、auとは逆だったという。auは「学割」効果で本人名義が多い一方、ドコモは実際に支払う親の名義にするようすすめてきた経緯があるという。
フィルタリングサービスを既存契約者に導入する場合、この名義の問題が壁になり、18歳未満のユーザーを特定するのが難しくなる。「総務大臣とも話したが、徹底するなら自動車のように所有者と使用者をそれぞれ登録したほうがいいのかもしれない。だがそうなるとシステムを変えなければならない」(小野寺社長)
実際のフィルタリングにも難しい問題がつきまとう。事前に許可したサイトのみアクセスできる「ホワイトリスト」方式と、特定のサイトのアクセスをブロックする「ブラックリスト方式」の2通りを導入する予定。
ホワイトリストは、公式サポートページなど、ごく限られたサイトのみのアクセスを許可する厳しいものと、EZweb公式サイトから選ばれたサイトにアクセスできるものとの2つを用意しているという。だが後者の場合、アクセスを許可された公式サイトのURLから別のサイトに飛んだ場合に確実にブロックできるのか──など、「抜け道」がないかチェックする必要があり、「本当に頭が痛い。青少年保護を考えるなら、一番厳しいリストをデフォルトにせざるをえない」と話す。
まずホワイトリストを導入し、親の意見を聞いた上でブラックリストに移行していくという流れを想定しているが、「ブラック」サイトの判定もまた難しい。「かなりグレーゾーンもあり、これを誰が管理するのか」。キャリアがやるわけにはいかず、誰が管理するかきちっとしておかないと、おかしなことになる」と懸念している。
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