ヤフオクのエスクロー、電子マネーで利用可能に
ヤフオクに、電子マネーを使った新しいエスクローサービスが導入される。出品者がジャパンネット銀口座を持っていなくても利用できる。
ヤフーは「Yahoo!オークション」で、落札者が商品を受け取った後に代金を支払える「エスクローサービス」利用のための新しい仕組みを、8月5日に導入する。ジャパンネット銀行(JNB)が同日から提供する「JNB電子マネー」を利用し、従来より簡便にエスクローを利用できるようにする。
従来、ヤフオクのエスクロー「受け取り後決済サービス」「代金支払い管理サービス」を利用するには、出品者がJNBに普通口座を持つ必要があったが、新サービスは電子マネーを介してやりとりし、JNBの口座なしで利用できるのが特徴。
出品者は「Yahoo!ウォレット」に登録した上で、名前と電話番号を入力すると、Yahoo!IDとひも付いた電子マネー口座を開設でき、一度開設すれば解約まで同じ口座を使える。
出品した商品が落札されると、落札した商品代金専用のワンタイム口座を開設。落札者が金融機関からその口座に代金を振り込むと、代金が電子マネーとしてチャージされ、出品者の電子マネー口座に送金できる。
出品者はチャージされた電子マネーを任意の銀行口座に振込出金可能。振込出金には手数料が必要で、JNB口座宛てなら52円など。月1回に限り手数料が無料になる。
JNB電子マネーの導入によって、受け取り後決済サービスや代金支払い管理サービスの利用を促進し、「代金を振り込んだのに商品が送られてこない」といったオークションのトラブルを回避する狙いだ。
ヤフーは昨年12月に、ヤフオクの詐欺対策を強化すると発表。Yahoo!JAPAN IDの売買やヤフオクでの不正利用の撲滅を訴えるページ「やめようID売買」や、ヤフオクの詐欺手口を説明するページ「実録 オークショントラブル」などを開設し、啓発に努めてきた。
フィッシング対策技術を搭載したWebブラウザの公開テストも実施しているほか、9月中旬にはヤフオクの出品フォームをリニューアルし、より詳細な商品情報を掲載できるようにする予定だ。
同社によると、ヤフオクで詐欺にあう確率は0.003%。詐欺被害者は、最も多かった2005年第2四半期から減り続けているという。同社の八代峰樹オークション事業部長は「たとえ簡単に出品ができなくなり、業績に影響があったとしても、詐欺対策を強化して安心・安全に使ってもらえるようなサービスを目指していく」と話した。
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