米IBMは9月17日、次世代22ナノメートル(nm)プロセスによる半導体製造をターゲットとした技術開発プロジェクト「Computational Scaling(CS)」を発表した。EDA(半導体設計ツール)ベンダーの米Mentor Graphicsや、凸版印刷などが開発に協力している。
IBMは新プロジェクトにより、クラウドコンピューティングや高性能サーバ向けの、より高性能で小型なLSIの製造を促進したい考えだ。
半導体製造では、回路パターンを描いたマスクと呼ばれる遮光材を用いてレーザー光を制御、感光性樹脂を塗布したウエハーにパターンを焼き付けるリソグラフィ技術が用いられており、半導体の微細化ではこの技術の進歩が大きな鍵を握っている。IBMのCSは、コンピュータの計算技術によってマスクの形状と感光性樹脂の特性を調整可能にするという。
CSには、さまざまな技術ソリューションが含まれる。Source-mask optimization(SMO)技法を用いた解像度向上技術(RET)、TCAD(Technology CAD)を用いた仮想シリコンプロセス、プロセスモデリング予測、設計ルール生成と対応モデル、複雑な照射、ばらつきの制御、マスク製造などだ。
SMO技法に関しては、Mentor Graphicsが開発に協力している。SMOは、マスクの形状を変化させ、同時にレーザーの照度を最適化することで、二重露光の使用を抑える技術。
マスク製造では、最新フォトマスクプロセスの共同開発プロジェクトを、3年前から凸版印刷と推進しているという。
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