「Googleストリートビューは違法」――英プライバシー保護団体が苦情
「Street Viewのせいで夫婦げんかになった」「暴力夫に見つかってしまうのでは」――英プライバシー保護団体が、市民から多数の苦情が寄せられていると主張している。
英国のプライバシー保護団体Privacy International(PI)は3月23日、GoogleのStreet Viewに関する苦情を、プライバシー監視団体の情報コミッショナー委員会(ICO)に提出した。同サービスは違法であると主張している。
同国では3月20日にStreet Viewサービスが始動したが、既にユーザーから多数の苦情が寄せられているという。
ICOはGoogleが英国でStreet Viewサービスを開始するに当たり、同社が十分なプライバシー対策を取っているとして容認する姿勢を表明した。だがPIは、Googleの対策は不十分だと主張、ICOにプライバシー侵害を防ぐための対応を取るよう求めている。
Googleはプライバシー対策の1つとして、Street Viewに写った顔やナンバープレートなどをぼかす技術を導入している。しかしPIは、この技術が機能していない写真も多数あり、市民に恥ずかしい思いをさせていると指摘している。
PIはStreet Viewが市民に及ぼす脅威や影響を示すために、市民から寄せられた以下のような苦情を紹介している。
- 15歳の少年がスケートボードを持っている写真がStreet Viewに掲載された。この少年の両親はスケートボードの利用を禁止していたため親子げんかになり、少年は現在友人のところにいる
- 既婚男性が同僚の女性と密着して話している様子をGoogleが撮影。道路工事でうるさかったため密着して話さなければならなかったのだが、浮気しているように見え、夫婦げんかになった
- 暴力的な元夫から逃れるために転居した女性が、Street Viewで自分の居場所がばれるのではないかと不安を訴えている
- 大会社で働く2人の男性が、キスをしているように見える写真がStreet Viewに載った。実際はそうではないが、会社中に写真が出回り、彼ら自身もそのパートナー(女性)も恥ずかしい思いをした
PIは、「顔の特徴や服装などから個人を特定できる場合は英データ保護法が定める個人情報に当たる」とし、Street Viewは同法に違反していると主張。また事前の同意を得ずに撮影している点も違法であると述べている。「このような問題が解決するまでは、Street Viewを違法なものとして扱わなければならないと確信している」
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