これを見れば分かる! デジタル技術の仕組みと傾向
iPhoneでマルチタッチができるのはなぜ?
最近、iPhone 3Gをまじめに使うようになったら楽しくなってきた!
まじめにって、今までどう使ってたの?
えと……iPod代わりに音楽プレーヤーとして使っていた……。でも音楽聴いていたときには気付かなかったんだけど、タッチパネルって便利だね! ピンチ(pinch)っていって、画像とかを2本指で拡大したり縮小したりできるんだよ! 知ってた?
待て、それは常識だよ……。ちなみに複数の指で画面に触れることを何て言うかは知ってるよね?
……。
やはり知らないのか。マルチタッチと言うのだよ、乙女君。
う……。し、知っているよー! 「ニンテンドーDS」もできるもんね!
……できないよ。
え! なんで!? あれもタッチパネルでしょ?
あのねぇ、タッチパネルにもいろいろあるの。教えてほしい?
お、教えてください!
画面に指などで直接触れて操作できるタッチパネル。これまではPOSやATMなど、産業用途で使われることが多かった。一般的に、タッチパネルをコンシューマー機器でよく見かけるようになったのは、任天堂が2004年に発売した「ニンテンドーDS」や、米Appleが2007年に発表した「iPod touch」や「iPhone」が登場してからだろう。
なかでも直感的な操作を売りにするiPhone 3Gは、パネル上で2カ所以上を同時に触れる「マルチタッチ」機能を備えている。このマルチタッチ機能は、実はすべてのタッチパネルでできるわけではない。
タッチパネルの方式は用途などに応じていくつかあり、携帯電話やカーナビなどコンシューマー機器では(1)抵抗膜方式や(2)静電容量方式が主流だ。また、タブレット型PCやペンタブレットなどには(3)電磁誘導方式が使われている。そのほか、POSやATMなどの業務機器やFA機器など産業用途の大型機器向けとして(4)超音波表面弾性波方式や(5)赤外線走査方式がある。
搭載台数別で最もシェアが高いのは抵抗膜方式。タッチパネル搭載機器数の約90%を占めており、ニンテンドーDSのタッチパネルも同方式を採用している。圧力を感知して触った位置を特定するというシンプルな仕組みで、製造が簡単で低コストで生産できるのが特長だ。細かな位置検出がしやすく、ペンによる文字入力にも対応。一方、液晶の上に導電膜フィルムを貼る構造のため、画面の透過率が低くなり、鮮明な画面を実現しにくい点や、傷に弱いことがデメリットだ。
次にシェアが高いのは静電容量方式。指や専用のペンでパネルに触れることで起こる放電現象などを感知して位置を特定する。携帯電話などの小型製品に使われる「投影型」と、大型製品に使われる「表面型」の2種類の検知手法がある。iPhone 3Gが採用しているのは、投影型の静電容量方式だ。
マルチタッチができる端末の多くは静電容量方式のうち、投影型を利用している。「一般的に抵抗膜方式は、2点押しをすると(押した2点の)間をとってしまう。また、2点の距離がある程度近づくと検出の限界が生まれてしまう」(タッチパネル研究所 モニター事業部 技師担当 長塚知志氏)という。これに対し、投影型の静電容量方式は電流量を計測して位置情報を計算し、指の動きを細かく検出するため、直感的なマルチタッチ操作が可能になるという。
直感的な操作には向く一方で、デメリットもある。抵抗膜方式に比べて細かい座標検出が苦手なため、手書きで正確に文字を入力することが難しい。また液晶のノイズに影響されやすいことや、回路を組むのに時間やコストがかかることも挙げられる。
新しい方式のタッチパネルも登場してきている。シャープが今年5月下旬に発売予定の新型「Mebius」に搭載する「光センサー液晶パッド」は、液晶パネルの1画素1画素に光センサーを搭載し、指やペンの形状を光の反射や影で認識するという方式だ。
抵抗膜方式のような正確な手書き文字入力と、静電容量方式で可能なマルチタッチ入力を両立できるのが特長。パネル表面に導電膜を貼り付ける必要がないため、薄型化にも貢献する。
感知に光を利用するため「直射日光下での作業は難しい」など、周囲の光量にセンサーが影響されるというデメリットもある。だが、光センサーを使って簡易な画像スキャンも可能(Mebiusでは当初非対応)など、幅広い用途が考えられる。
これまで業務用途中心だったタッチパネル市場だが、現在は「コンシューマー向けに拡大している」(タッチパネル研究所 モニター事業部 塚原隆夫氏)という。従来の抵抗膜方式、静電容量方式に加えて新方式も登場。携帯電話などの従来タッチパネルを取り入れてきた製品カテゴリだけではなく、「ミニノートPCに搭載されて爆発的に売れることも期待できる」(塚原氏)など、今後は身近なところでタッチパネルを見かけることも増えて行きそうだ。
へぇ……タッチパネルにもいろいろあるんだねぇ。
知らなかったでしょ。
うん。“触って操作できる”ところはみんな同じなのにね……すごい!
え……あ、はい! お願いします!
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