Google、Amazon CEOの痛烈批判に反論
GoogleはAmazonのベゾスCEOの「著作権侵害」という批判に対し、「書籍へのアクセスが拡大するのは皆にとっていいこと」と主張している。
「著作権を侵害して賞品をもらうようなこと」――米Amazon.comのCEOがGoogleと出版社の和解案を痛烈に批判した。
eWEEKによると、Amazonのジェフ・ベゾスCEOは6月15日に開かれたWired Business Conferenceで、Googleがブック検索をめぐって出版社と交わした和解合意に「強い意見がある」と語った。Googleは書籍をスキャンして巨大なデジタルライブラリを構築し、電子書籍を販売しようと計画しており、出版社との和解は、同社に絶版本の電子化を認めるものだ。
「大規模な著作権侵害で賞品をもらうようなことをするのは正しくないと思う」とベゾス氏は語り、Googleと出版社の和解案を見直すべきだと主張した。
Amazonは電子書籍リーダーKindle向けの電子書籍を販売しており、年内に電子書籍市場への参入をもくろむGoogleと競合することになる。
Googleは翌16日、ベゾス氏のコメントを受け、(Google参入により)選択肢が増えるのはいいことであり、同社が出版社と和解した理由もそこにあると語った。この和解によって、ユーザーはもっと多くの書籍を利用できるようになると同社は主張し、目録化のために書籍を複製するのは公正使用に当たるとの見解を示している。
Googleは出版社との和解がユーザーにもたらすメリットを次のように説明している。「絶版になった数百万冊の書籍にオープンにアクセスできるようになる。障害者へのアクセスも拡大し、新たに利用されることで権利者に報酬が支払われる。(電子化した書籍の)レジストリを作ることで、作品の権利保有者やライセンスを見つけやすくなる。Amazonのような他社や個人が権利者に直接あるいはレジストリを通じて連絡を取って、作品のライセンスを受けられるようになる。権利者が分からない孤児作品もわれわれがサポートする」
Googleは、書籍へのアクセスが拡大することは同社もAmazonも含め、皆にとっていいことだと述べている。
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