薄型テレビ国内販売増 パナソニック、4〜9月期予想を上方修正
パナソニックが4〜9月期業績予想を上方修正。市況や為替が想定より改善、コスト削減が計画以上に進んだ。4〜6月期は「エコポイント」効果で、薄型テレビの国内販売が伸びた。
パナソニックは8月3日、2009年4〜9月期(上期)の連結業績予想(米国会計基準)を上方修正し、営業赤字が200億円にとどまる見通しだと発表した。期初見通しは1050億円の赤字だった。固定費や材料費などのコスト削減が計画以上に進んだ上、市況や為替が想定より改善したため。
修正後の予想は、売上高が3兆3300億円(期初予想より400億円増)、税引き前損益が900億円の赤字(同1050億円増)、純損益が1000億円の赤字(同950億円増)。「下期の市場は不透明」(上野山実 取締役)として通期の予想は変えない。
4〜6月期、見通し大きく上回る 「エコポイント」で国内薄型テレビ好調
同日発表した4〜6月期の連結決算は、前年同期比で減収減益だったが、1〜3月期からは回復し、期初見通しは大きく上回った。コスト削減が効いたほか、電子部品市況の回復や「エコポイント」など政府の景気刺激策による売り上げ増、為替の円安傾向が寄与した。
売上高は前年同期比26%減の1兆5955億円、営業損益は202億円の赤字(前年同期は1096億円の利益)、税引き前損益は518億円の赤字(同1193億円の利益)、純損益は530億円の赤字(同730億円の利益)。
薄型テレビの国内売上高はエコポイント効果もあり、前年同期より4%増。世界売上高は前年同期より減ったが、1〜3月期比では増えた。
4〜6月期の薄型テレビの世界販売台数は294万台(1〜3月比33%増)で「通期1550万台という計画を順調にこなしている」。テレビ事業は通期で赤字を見込んでいるが、「高インチ化・フルHD化を進めて収益性を高めていく」計画。2011年3月期の黒字転換を目指す。
デジタルカメラの4〜6月期売上高も、前年同期比では減ったが、1〜3月期からは増えた。国内ではコンパクト型「DMC-FX40」「DMC-TZ7」が好調だった。
エアコン、冷蔵庫、洗濯機も同様に、前年同期比では減収だが前期比では増収。国内はエコポイント効果もあり堅調で、特に「冷蔵庫は容量400リットル以上の大型製品が売れている」という。
珍現象? 巣ごもり商品が好調
「“巣ごもり商品”が好調という珍現象」も起きている。炊飯器や電子レンジ、ホームベーカリー、マッサージソファーなどの販売が好調という。
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